九州の大学人190人が安保法案反対!「一人一人が考え行動する主体だ」
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安保法案に反対して、九州の教職員、学生らが9月7日、福岡市で緊急集会を開いた。九州大学、西南学院大学、福岡大学の教員有志が九州・山口の大学の教職員・学生によびかけたもので、学外の市民を含む約190人が参加した。
国会前でのSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)の行動に影響をうけて、福岡の若者で結成された「FYM」(フクオカ・ユース・ムーブメント)や、北九州市の「FYM kita9」、長崎の「N-DOVE」の若者がスピーチした。
「FYM kita9」の谷本咲太郎氏(25)は、8月30日にのべ30万人(主催者発表、複数カ所でののべ人数とする)が集まった国会前包囲行動に参加したことを報告し、SEALDsの中心メンバーの奥田愛基氏らに触れて、「こんな若者に何をやらせているんだ。僕は何をやっているんだ。恥ずかしくて、悔しい。だから、何ができるわけではないけど、僕は国会前に行きました。30万分の1になるなんてゴメンだ。自分で考えて行動する1人として、主体として、声にしていこうと決意して行った。そう考えることができた一人ひとりがいた(から30万人が集まった)」と述べた。
FYMの熊川果穂氏(21)は「デモに対してイメージが良くなく、(安保法案の衆院)強行採決後もデモのきっかけがなかった。政党・団体ではなく、一人ひとりが参加できる、福岡なりのムーブメントをしている」「戦争がちらつく法案には反対です。犠牲の上の平和ではなく、誰も犠牲にならない社会をつくることが大切だ」と語った。「FYM kita9」の崔春海氏(20)は「若者の行動を東京だけのものにしたくない。それぞれの地域に根差した反対の声をあげていきたい。平和のために抑止力を持つのではなく、対話、下からの平和が重要」と訴えた。集会では、福岡県弁護士会元会長の永尾廣久弁護士や木村公一牧師も挨拶し、「本当に(安保法案の)息の根を止めたい」(永尾氏)、「この戦いは9月で終わるわけではない。集団的自衛権で平和をつくることと、非武装で平和をつくることと、どちらが現実的で効果的かという戦いをこれからしていこう」(木村氏)と呼びかけた。
3大学の教授らが、安保法案に反対し各大学有志の声明をあげた経過を説明。北九州大学、福岡県立大学、産業医科大学の教員や名誉教授らが次々とスピーチし、「この法案は限度を越していると切迫感を感じている。社会をつくるうえで大事な信頼を確実に壊すという危機感を持っている」などと述べた。大学有志の声明には、ネットを活用した賛同署名が元教員や卒業生を含め、九州大学で約500人、福岡大学で約150人、西南学院大学で約180人に広がっていることが紹介された。集団的自衛権の是非や憲法解釈など意見の違いを考慮した最大公約数の声明を、満場の拍手で採択。声明は、「われわれの社会の根本のルールである民主主義や立憲主義を破壊してしまう安全保障関連法案がもつ内容的・手続き的な問題点」などをあげて、「平和のあり方はわれわれ自身が定義するものであり、権力によって押しつけられるものではありません」と指摘。「アジアの玄関口」としての交流、加害と被害の双方の歴史を持っている九州の地から、「安保法案の即時廃案」を求めている。
【山本 弘之】
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