2024年11月24日( 日 )

「福岡の街」を彩るエンクレスト 現在進行中の新たなチャレンジ

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(株)えんホールディングス

中央区・博多区で累計1万戸超
「エンクレスト」マンションとは

    福岡市博多区築港本町、住吉、美野島―周囲を見渡せば、単身向けマンション「エンクレスト」がどこからでも見える。これら賃貸需要が高い天神・博多エリアを中心に、県内トップの供給量・年間543戸(15年間平均)のエンクレストを供給するのが、(株)えんホールディングスである。2000年に同マンションシリーズ第1号となる地上10階建、総戸数56戸の「エンクレスト西公園」を完成させて以来、右肩上がりで供給戸数を増やしてきた。

 まちづくりへの貢献という意味では、エンクレストの供給が周辺エリア全体の活性化を促した実績もある。これまでの供給棟数は120棟を超えるが、とくに冒頭に挙げたエリアでは、エンクレストによってまちが整備され、それが周辺の賃料相場を引き上げるという効果も生まれた。このエリアの高い賃貸需要は同社がつくり出したといっても過言ではないだろう。

 「当社のお客さまは、オーナーさまと入居者さま。『立地が良い』『対応が良い』『建物の管理が良い』と入居者さまに支持されれば、自ずと入居率は高く維持できる。入居率が高ければ、オーナーさまの支持を得ることにもつながってくる」(原田透社長)。同社では毎月の入居率の推移をホームページ上で公開。管理戸数は1万戸を超えており、年間の平均入居率は99%超(22年)を誇る。

(株)えんホールディングス 原田透社長
(株)えんホールディングス
原田 透 社長

    こういった高い入居率を背景にして、21年からは、九州で初めて不動産特定共同事業(電子取引業務を含む)の許可を取得。福岡市エリアに特化した不動産投資クラウドファンディングサービスをスタートさせ、すでに20以上のファンドで募集を完了するなど、注目を集めている。

ホテルの開発運営、商業施設の開発運営
新たな領域への挑戦

えん博多ビル(ホテルトラッド博多)
えん博多ビル(ホテルトラッド博多)

    20年8月には、新たなチャレンジとなる「ホテルトラッド博多」(客室数209)が開業。同社のオフィスが入る「えん博多ビル」の上層階で、同社のグループ会社が運営している。ビルの庭園や壁面緑化は、世界的庭園デザイナーの石原和幸氏が監修し、「チェルシー・ガーデン」と名付けられた。100種類以上の植物が使用され、四季の移り変わりによって印象が変わるつくりとなっている。また、19年からは福岡市が推進する「一人一花運動」に参画し、「366フラワーデイズプロジェクト」を始動。もちろん、チェルシー・ガーデンやホテル前の歩道花壇、さらには福岡市中心部にある120棟超のエンクレストの植栽も、「一人一花運動」のパートナー花壇およびボランティア花壇に登録している。

 「一人一花運動」への参画をはじめ、植栽にも配慮することで、道行く車や人が抱く印象も変えてきたことだろう。原田透社長も「福岡のまちづくりに長年携わらせていただいています。感謝の意味も込めて、福岡の方々が、花を見て少しでも幸せな気持ちになれば」と話す。

 22年8月には、福岡市が行った音楽・演劇練習場「ゆめアール大橋」跡地売却の事業者公募で、優先交渉権を取得した。

 同社は、「OHASHI HILL」と名付けられた地上6階建の複合施設開発を計画。1階にスーパーマーケットや木かげ広場、2階にクリニックやフィットネスジム、3~5階にオフィスや駐車場、6階にカフェや一時保育所、スターパーク(屋上広場)のほか地域の活動拠点となる「おおはしラボ」を設置するもので、基本方針には、「南部広域拠点としての機能の拡張、地域の暮らしの質の向上を実現」「南区の文化芸術と都市の魅力を高めるために貢献」の2つを掲げる。施設開業は25年3月を予定している。

中央区最大級マンション(
「エンクレストガーデン福岡」に着手

エンクレストガーデン福岡
エンクレストガーデン福岡

 こういったプロポーザルにも積極的に取り組む同社は、福岡市中央区の小笹団地の余剰地も取得。今年3月からはマンションギャラリーも開業し、ついに「エンクレストガーデン福岡」プロジェクトが本格始動した。

 プロポーザルにあたって、選定委員会は同社のプランを「地域住民も利用できる共用スペースを計画し、既存の緑を残して地域の記憶を継承し、コミュニケーションを重要視した意欲的な提案」と評価。エンクレストガーデン福岡は、総戸数364戸のビッグプロジェクトとなっており、開発計画は東と西の街区に分けて進められる。まず進められる東街区は、3棟208戸で構成され、25年12月の完成を目指して工事が行われている。

 エンクレストガーデン福岡は、ファミリー向けマンションとして計画され、単身者向けに供給されてきたエンクレストとは異なる性格をもつ。ファミリー向けのエンクレストは、これまでも実績はあるものの、同社最大級のプロジェクトとなるだけに、えんホールディングスグループとしても、大きな挑戦となる。

 福岡を代表するマンションデベロッパーとしてだけでなく、ホテル運営や商業施設運営を手がけることで、同社が今後も福岡のまちづくりに貢献していくことに期待したい。

※=福岡市中央区で2020年以降の供給マンションで最大戸数(九州産業研究所調べ) ^


<COMPANY INFORMATION> 
代 表:原田 透
所在地:福岡市博多区住吉3-12-1 えん博多ビル
設 立:1989年11月
資本金:1億円
TEL:092-260-5300
URL:https://www.en-hd.jp

<RECRUIT> 
募集職種:正社員(総合職)
応募資格:大学、短大、大学院、専門学校、高専
     卒業見込みの方
問合せ先:092-260-5300
     (平日10:00~17:00)
     saiyou@kken-hd.co.jp


<プロフィール> 
原田 透
(はらだ・とおる)
1959年7月9日、福岡県生まれ。投資用マンション販売会社を経て、97年3月に(株)えん(現・(株)えんホールディングス)の代表取締役に就任した。取引業者だけでなく、同業者からも原田氏の経営手腕に対する評価は高い。(一社)九州住宅産業協会の副理事長兼総務部会長も務める。

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