中国の不動産市場 低迷続く(後)
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新築物件の売上が大幅に減退している一番の理由は、投資意欲が薄れて買い手が現れなくなっているからである。今は多くの地域で購入制限が撤廃され、複数の物件購入が認められるようになったが、大幅に値が下がっても買い手が増えないのだ。
中国国家統計局が7月15日に発表した主要地域70カ所における6月の分譲住宅の価格を見ると、中古物件の値下がりが続いている地域が90%に達している。6月のデータを見ると、新築住宅が値下がりした地域は前月の24カ所から38カ所に増えた。また中古住宅では、値下がり地域が8カ所増えて全体の9割となる63カ所に達している。 広東省深圳市は、中古物件の販売件数が過去最高を塗り替える5万2,000件以上に達したが、30%値引きでも売れない物件が多い。
中国最大のイノベーション都市である深圳では企業の倒産が相次いでおり、テンセントやファーウェイといった超大手も人員削減を始めている。よって深圳は、住宅市場の低迷だけでなく事業用物件の空き家率の大幅増といった問題も抱えている。
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)のレポートによると、深圳は2023年6月、Aランクのオフィスビルの空き家率が前年より1.6ポイント増えて24.5%となっている。深圳は年内に100万m2近いオフィスビルがオープンする予定であり、空き家率は今後2年ないし3年間さらに増えそうである。
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中国では、家がなければ結婚できないのだろうか深圳の不動産市場でかねてから活況だったオフィスビルだが、マクロ的環境が不透明になっていることから、投資会社が慎重になって購入者が少ない状態である。C&Wによると、深圳は今年上半期、オフィスビルの80%以上が個人利用で購入され、売値も1件あたり2億元から3億元 (約60億円)程度と安めで、購入件数も少ないという。これまでのような才フィスビルヘの投資はごくわずかである。
中国国家統計局の付凌暉報道官は7月17日の記者発表会で、今年上半期の不動産市場について「開発投資は前年同期比7. 9%減、住宅の販売面積は同5.3%減、売上高は同1.1%増、開発会社の資金額は同9.8%減だった」と報告した。
付報道官は、「新規着工面積は減少し、完成面積は増えており、不動産投資は今後も低水準で推移する。ただし中長期的に見て、中国の不動産市場は今、これまでの急成長から安定成長へと移っている」と述べた。
中国は2021年、GDPに占める不動産業の割合が14%であり、固定資産投資に占める不動産の割合が20%であった。よって「不動産・輸出・投資」が経済成長の三本柱と言われている。
しかしこのような低迷に陥ったことで、中国経済の回復に甚大な影響が出ている。就任して5カ月が経過した李強総理は、いまだに経済対策を発表できずにいる。経済を刺激する新たな材料がない、これは目下、中国が抱える一番の問題である。
(了)
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