【連載】党勢拡大もせず3選を目論む野田国義参議院議員(2)
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かつて全国最年少市長として世間の注目を集めた元八女市長・野田国義氏。小沢一郎氏の誘いを受け、2009年衆議院議員選挙で、秘書として仕えた古賀誠元自民党幹事長への刺客として立候補、比例区で復活当選した。13年に参議院議員(福岡選挙区選出)に転じ、現在に至る。衆参あわせ13年になるが、所属する政党の党勢拡大に貢献できていないどの声が聞かれる。本連載では、かつて北九州・福岡両市の首長ポストを押さえ、全国でも勢いがあった民主党(当時)が衰退した経緯およびそれに拍車をかけた野田氏の政治姿勢を問いたい。
(なお、本記事は政治メルマガの会員向けに以前に発信しているものと同じ内容のものですが、広く読者の方に読んでもらいたいとの想いから掲載しております)進まない党勢拡大
「6月の常任幹事会で、野田・古賀(之士)の両参議院議員に党勢拡大が進まないなら、貴方方が自ら衆議院に出るべきと主張しましたが、お2人とも黙っていました」
こう話すのは、立憲民主党(以下、立憲)福岡県連副代表を務める原中誠志福岡県議会議員。現在、立憲県連は福岡県内11衆議院選挙区のうち、7選挙区が県議会議員や市町村議員が、自民党の支部長にあたる総支部長代行を務めている。本来は国会議員が務めるべき総支部長を、地方議員が代行している状態にある。
地方議員自体の拡大も20年に立憲と旧国民民主(以下、国民)両党が合流した際の人数が40人だったが、今年4月の改選を経て県議・両政令市議・一般市町村議合わせて43人で、3年が経過しても進んでいない。福岡県内には60の市町村があり、48の市町村議会で立憲の議員はゼロである。先述の原中氏の発言は、そのことへの危機感の表れだろう。
福岡県内で立憲を含む野党系が小選挙区で議席をもつのは、3議席。5区の堤かなめ氏、9区の緒方林太郎氏、10区の城井崇氏である。残りはすべて自民党が掌握している。
民主党政権時代は政令市長も掌握していた
09年に政権交代をはたした民主党は、県内6選挙区で議席を獲得した。さらに政令市の北九州市、福岡市の市長も民主系であった。旧民主党福岡県連の当時の幹事長、助信良平氏は勢いがあった。松本龍氏という存在も大きかった。しかし、旧民主党も福岡県内地方議員の数は少なかった。
自民党の強みは、「無所属という名の自民党議員がすべての市区町村議会にいる」ことだという人もいるくらい、全国津々浦々に地方議員のネットワークが張りめぐらされていることだ。
立憲も政権交代を目指すならば自民党に匹敵する地方議員の部隊をつくらないと、いざ国政選挙となると地方議員が実働部隊となり、運動員や支持者も動員するわけで、各小選挙区に候補者を立てようにも覚束ないことになる。立憲や国民といった旧民主系が、労働組合に依存するのは、地方議員の少なさと大いに関係がある。
一方で、こうした声も聞いた。「参議院は、県議会議員と違い、仕事の内容が見えにくいこともあります。陳情処理にしても、国政は自民党が押さえているので役所も自民党を向いて仕事しています」。
こう説明するのは、立憲福岡県連幹事長を務める仁戸田元氣県議会議員。たしかに政権与党と野党とでは、中央省庁の官僚の対応は格段に違う。では、次回、野田氏が2期におよぶ参議院議員在職のなかで、どのような国会質問を行い、それが地元にどれくらい還元されたのかを検証していきたい。
(つづく)
【近藤 将勝】
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