福島汚染水放出、中国人訪日観光に影を落とす
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中国国家文化・観光部はこのほど、海外団体旅行を再開する国と地域のリスト第3弾を発表。人気の海外旅行先に変化があったことが明らかになった。オンライン旅行サービス「携程旅行網」の団体ツアー検索件数を見ると、17日の時点で、日本の検索件数が東南アジアのタイとシンガポールを抜いて第1位。日本行き団体ツアー商品の予約件数は前月同期比で90%近く増加し、国慶節(建国記念日、10月1日)に出発する日本団体ツアー商品は前月の6倍以上になった。
携程の日本団体ツアー責任者によれば、「これまでのデータによれば、国慶節前後に日本ツアーはピークを迎えるはずだった」。ところが、日本が福島第一原発の処理水の海洋放出を開始したことが、訪日観光に影を落としている。観光客の一部は国慶節に予定していた日本旅行の変更を検討。団体ツアーのキャンセルを問い合わせる観光客も一部いた。
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韓国SKテレコムと提携でインバウンド増加に期待ある大手旅行会社の関係責任者は、「当社ではここ数日、一部のお客さまが相次いで日本団体ツアーをキャンセルしたほか、もともと国慶節連休期間に日本旅行を予定していた一部のお客さまが今は様子を見ていて、予約が確定していない状況だ」と説明した。
また、ニュース番組「新聞坊」は28日、日本への航空券が値下がりしていることを伝えた。これまで1万元(約20万円)を超えていたものもあったが、今では大きく値下がりしたという。消費者の李さんは、「国慶節連休は日本旅行に行く予定で、ビザの申請書類の準備も始めていたが、ここ数日間の日本の原発汚染水の海洋放出という出来事を目の当たりにして、友達と連休中の海外旅行先について考え直すことにした」と話した。
この動きについて、旅行会社の靠譜旅業で最高経営責任者(CEO)を務める張致寧(ジャン・ジーニン)氏は、「今週から、日本の原発汚染水の海洋放出が中日韓の経済・貿易・往来に一連の影響を与えることになる。旅行市場については、『海外団体旅行再開国・地域第3弾リスト』に入った日本は、中国の国慶節連休がもたらす消費ボーナスを享受するはずだった。しかし、日本の原発汚染水の海洋放出が引き起こした安全への懸念により、同連休の中国人観光客の訪日への期待は大きくしぼんだ。中国人観光客が国慶節連休に日本ではなくほかの国・地域に行くとすれば、これから相当長い期間、日本の観光旅行を取り巻く経済は、中国人観光客の減少によって冷え込む可能性がある」との見方を示した。
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