今年下半期の中国経済はどうなるか
-
中国国家統計局が7月17日に発表したデータによると、2023年上半期(1~6月)の国内総生産(GDP)は59兆3,034億元(約1,190兆円)で、不変価格に基づく計算では前年同期比5.5%増だった。うち、第2四半期(4~6月)のGDPは同6.3%増加した。
2023年の中国経済はいくぶん回復する可能性があるが、しかし、不動産市況の低迷、輸出の減速、失業率も上昇し雇用状況は悪化という「三重苦」に直面している。中国経済が「予想外」の急減速に直面している今、現在の中国経済情勢をどう見るか?
中共中央政治局は7月24日に会議を開催し、現在の経済情勢について分析・検討を行った。
会議は「現在、経済運営は新たな困難と試練に直面している。これは主に国内需要の不足であり、一部の企業は経営が困難で、重点分野で比較的リスクが多く、外部環境は複雑かつ厳しい。新型コロナウイルス感染症対策の平穏な転換後、経済回復は波状的発展、曲折的前進の過程をたどっている。我が国の経済は大きな発展の強靭性と潜在力を備えており、長期的好転という基調に変化はない」と指摘。
会議で、下半期の経済政策について、「『安定を維持しながら前進』という総体的な政策基調の堅持」「経済の質的な面での効果的な向上と量的な面での合理的な増加の促進」の必要性を強調するとともに、一連の新たな措置を打ち出した。
(1)資本市場を活発化させ、投資家の自信をてこ入れ
国研新経済研究院創始院長、新経済シンクタンク首席研究員・朱克力氏によると、これは、関連措置を打ち出して、資本市場の革新的な発展を促進し、市場環境を改善することを意味する。
(2)住民所得の増加により消費を拡大
下半期においても内需拡大は極めて重要な課題だ。中国政策科学研究会経済政策委員会の徐洪才副主任によると、消費拡大には具体的な状況と突破口を見出す必要がある。会議は、自動車、電子製品、住生活など大口消費をてこ入れし、スポーツレジャー、文化観光などサービス消費を後押しする必要があると指摘した。
(3)果敢に進出し、投資し、リスクを取るよう企業を激励
中国人民大学資本市場研究院の趙錫軍連席院長は、中央政府が企業に「3つの果敢」を奨励したことは、民間実業家を勇気づけ、懸念の解消と自信の安定化という重要な役割をはたすと指摘する。
(4)不動産政策を適切な時期に調整・最適化
中原不動産の張大偉首席アナリストによると、これは再び不動産政策の緩和と高度化を行う見込みがあることを意味する。今回の会議の発表では「住宅は住むためのものであり、投機売買のためのものではない」という言及はなかったが、これは政策の全面的転換を意味するものではなく、「住宅は住むためのものであり、投機売買のためのものではない」は依然として地方都市独自の不動産政策の譲れぬ一線だ。
(5)債務整理のパッケージプランを策定・実施
粤開証券のチーフエコノミスト、研究院院長・羅志恒氏によると、これは問題の複雑性および債務・金融リスクが重なり合っているという特徴に基づき打ち出した、系統的かつ総合的な解決策だ。
中国経済の振興材料は?
国務院新聞弁公室の8月15日の記者会見で、国家統計局報道官、国民経済総合統計司の付凌暉司長は、今後の経済動向について「世界経済は依然として下押し圧力に直面しており、国内経済の回復も需要不足に直面している。しかし、中国は国内市場の大きな潜在力、強力な産業基盤、広範な発展の余地などの優位性が明らかであり、長期的好転という基調に変わりはない」と指摘し、以下の点を挙げた。
(1)内需の牽引が続いている。今年に入り、サービス消費は回復を加速し、消費拡大を力強く支えている。投資面では、産業の高度化の発展とイノベーション主導の強化にともない、製造業やインフラ投資が成長し続け、経済の安定的発展に寄与すると見込まれる。
(2)外部環境の改善が期待される。7月以降、世界のインフレ率は顕著に低下し、主要エコノミーの利上げも終焉に近づくとみられ、世界の金融市場の動揺も多少緩和している。これは中国の貿易の安定的発展に有利な条件を生み出す。
(3)新たな原動力の成長が継続する。中国では、従来産業の改造・高度化、新興産業の発展・成長の段階に入るにともない、経済に対する新たな原動力の牽引力が高まり続けている。1-7月、一定規模以上の航空・宇宙機設備製造業の付加価値額は20%以上増加した。
(4)マクロ政策の効果が徐々に現れている。今年に入ってから、各当局は消費促進、投資拡大政策を続々と打ち出している。最近、関係当局は景気回復・好転促進のための政策の実施を積極的に計画している。これらの政策の効果が徐々に現れることは、経済の回復・好転の促進に寄与する。 「総合的に見て、圧力や試練に直面しながらも、持続的な経済回復と質の高い発展を支えるために有利な条件が多く、経済運営は下半期も安定を維持し、発展の質は引き続き向上すると見込まれる」 と付司長は述べた。
中国経済新聞を読もう<連絡先>
(株)アジア通信社
所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂9-1-7
TEL:03-5413-7010
FAX:03-5413-0308
E-mail:edit@chinanews.jp
URL:https://chinanews.jp関連記事
2024年12月20日 09:452024年12月19日 13:002024年12月16日 13:002024年12月4日 12:302024年11月27日 11:302024年11月26日 15:302024年12月13日 18:30
最近の人気記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す