古賀市で新たな汚泥再生処理施設「海津木苑」が完成
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旧施設の老朽化にともない新施設の建設が進められていた、古賀市の汚泥再生処理施設「海津木苑(うつぎえん)」が完成し、16日に落成式を迎えた。
新・海津木苑は、市内各家庭から排出される「し尿」や「浄化槽汚泥」などを、バクテリア(微生物)を利用して科学的にきれいな水へと適正処理する施設。1983年6月に完成した旧・海津木苑が、築40年近くが経過して老朽化が進んでいたことから、敷地内での新施設建設の計画が立ち上がり、21年6月に着工し、新施設の建設が進んでいた。施工は日立造船(株)九州支社。
新・海津木苑では、これまでのし尿・浄化槽汚泥の衛生処理だけでなく、汚泥を有効活用できる再生・資源化設備が加わることにより、循環型社会の構築に寄与できる施設となる。具体的には、旧施設では標準脱窒素処理方式だったものを、新施設では高負荷脱窒素方式に変更。また、電気浸透式脱水機を備えた助燃剤化装置も設置し、水分が取り除かれた汚泥を助燃剤として清掃工場で活用することでCO2削減効果も期待できるようになった。
さらに、旧施設のころから古賀市では市内小学校4年生が毎年社会科見学を行う施設と位置付けられていたため、新施設では1~3階には大きな見学窓を設置。処理エリアや中央監視室、水質試験室などを見学しやすい構造としたほか、ユニバーサルデザインの採用で、誰でも施設見学を行えるようになった。
古賀市の田辺一城市長は、「今回新たに完成した海津木苑は、し尿や浄化槽汚泥などを処理する、市民生活にとって大変重要な施設です。また、全国的にも珍しく食品加工団地のなかに立地しており、人間が生きるうえでの大切な営みである“食べる”と“排泄する”に関係する施設・機能が同じエリアに共存することは、人権尊重の観点からも非常に重要な意義をもっています」とコメント。
また、今回完成した新・海津木苑では、古賀市に隣接する福津市のし尿なども受け入れていく方針で、「広域連携のさらなる強化にもつなげていきたいと思います」(田辺市長)としている。
【坂田 憲治】
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