2024年の中国経済の重点課題(後)
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国内の大きな循環には滞りが生じており、
国際政治・経済環境のマイナス要因が増大清華大学中国発展計画研究院の董煜・常務副院長は、「中国の『安定を維持しながら前進』との経済政策の全体的基調は長年変わっていないが、その中身は情勢の変化に応じて重点を置くところが異なっている。とくに『安定』と『前進』の関係では、年度によってバランスを取る位置に違いがある」と述べた。
現在、中国国内の大きな循環には滞りが生じており、国際政治・経済環境のマイナス要因が増大している。こうした情勢のなか、董常務副院長は、「このたびの中央経済工作会議で最も重要な点は『前進によって安定を促進』を打ち出したことで、ここにはこれまでと異なる、動的バランスに基づいた、よりハイレベルの安全観と安定観が体現されている。つまり、より積極的で主体的な政策行為を通じて、発展の手段を用いて『前進』するなかで生じた問題を解決し、信頼感をより一層奮い起こすということだ」との見方を示した。
中銀証券の徐高チーフエコノミストは、「このたびの会議は『安定を維持しながら前進』との全体的基調を継続すると同時に、『前進によって安定を促進』を明確に打ち出し、安定成長に向けたより積極的なシグナルを発しており、経済の好転を力強く推進するという政府の意図は非常に明確だ」との見方を示した。「有効性の重視」や「組み合わせ効果の拡大」などの表現から容易にうかがえるのは、政府が政策の効果の「前進」により高い要求を打ち出したことだ。商務部(省)国際貿易経済協力研究院学術委員会の張建平副主任は、「財政、金融、産業など複数のマクロ政策が安定性を継続すると同時に、実際の効果と協調連携をより重視し、政策の統括を強化することが、来年の中国経済の『安定を維持しながら前進』における明確な特徴となるだろう」と述べた。
また同会議では新たな原動力の創出強化に力点が置かれ、新型工業化の推進注力、デジタル経済の発展、人工知能(AI)の発展の加速的な推進、いくつかの戦略的新興産業の育成など、そして新型消費の育成拡大、スマートホーム、文化娯楽旅行、スポーツイベント、国産「トレンド製品」などの新たな消費の成長源の積極的育成、新型エネルギーシステムの建設加速などが提起された。
アナリストによると、専門家は、「会議は高水準科学技術自立自強および現代化産業体系の建設加速という中心的な問題をめぐり、科学技術で産業イノベーションをけん引し、産業の高度化により競争力を形成するという鮮明なメッセージを伝えた」との見方を示した。
会議で発表された「新たな質の生産力の発展」は、戦略的新興産業と未来の産業を足がかりとし、産業の最適化と高度化を促し、産業発展をけん引するための方向を示した。盛朝迅氏は、「新たな質の生産力の育成の加速は、新たな科学技術革命と産業の変革のチャンスをつかみ、新たな産業の新たな原動力を形成するうえで有利だ」と述べた。
伝統産業の改造および高度化、新興産業の育成および成長、未来の産業の早めの手配を統一的に計画する。会議では、新型工業化を力強く推進し、デジタル経済を発展させ、AIの発展を急ぐことが強調された。バイオ製造、商業宇宙、低空経済などの若干の戦略的新興産業を構築し、量子や生命科学などの未来の産業の新コースを切り拓くと同時に、伝統産業のモデル転換と高度化を急ぐとされた。
目下の中国経済は経済回復と産業のトランスフォーメーション・高度化の重要な時期にさしかかっており、「安定」を基礎として『前進』し、「前進」によって「安定」を実現することが、来年の中国経済政策を貫く主要課題になるだろうという。
(了)
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