森山派解散決定で、麻生・茂木両派に与える影響
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25日、自民党の森山派(近未来政治研究会)は、国会内で会合を開き、派閥の解散を正式に決定した。
山崎拓氏も出席し、解散を決定
派閥解散は、全会一致で決定したという。会合には、派閥の創設者で現在最高顧問を務める山崎拓元自民党副総裁も出席した。
派閥の解散決定は、自民党6派閥のうち、安倍派、岸田派、二階派に続き4派閥目となる。
森山氏は、当初、派閥解散に慎重な考えであったという。森山派は、今回の事件で立件されていないが、安倍・二階・岸田の3つの派閥による政治資金規正法違反事件を受け、国民の政治不信が高まっており、このまま派閥を存続させた場合、所属議員の次期衆院選の当落にも影響が出ることが予想され、解散に一気に傾いた。立件対象とならなかった派閥の解散決定は初めてとなる。
自民党政治刷新本部の中間取りまとめ案は、政治団体としての解散までは求めておらず、政策集団の名目での存続は容認している。派閥解散を主張する菅義偉前首相らと、派閥に愛着をもつ麻生太郎自民党副総裁らとの妥協でまとめられたからである。
派閥会長の森山裕総務会長は総会後、「国民から見ると政策集団と派閥という仕分けがなかなかできにくい状況だと思う。断腸の思いだが、ここは解散するという選択が、政治の信頼を取り戻し自民党に国民の信頼をお寄せいただくために大事だという全員の思いで決断した」と苦渋の決断であると述べた。今後、所属議員を中心に新たに政策集団を発足させるという。
加藤の乱で派閥の結束を示す
近未来政治研究会は、中曽根派を引き継いだ旧渡辺派から独立するかたちで、1998年に山崎拓氏らが結成した。
2000年に、森内閣に反旗を翻し、野党の内閣不信任案に賛成票を投じようとした、いわゆる「加藤の乱」では、主流派(平成研究会など)に切り崩された加藤派(宏池会)と異なり、山崎氏をはじめ全員が一致して行動したことで、存在感を示した。
現在の所属議員は、8人と少数ながら、岸田政権において坂本哲志氏が農林水産大臣として入閣し、鬼木誠氏が防衛副大臣として政府の一員にいる。
予想される麻生氏の巻き返し
今回の森山派の解散決定は、派閥を存続させるとした麻生派(志公会)や茂木派(平成研究会)の動向にも影響を与えると指摘する政界関係者は多い。
茂木派の船田元・元経済企画庁長官は、23日、茂木派を退会することを表明し、麻生派では、岩屋毅元防衛大臣が「総裁派閥(岸田派)解散の意味は重く受け止め、尊重する必要がある」と発言するなど、派閥解散の流れになりつつある。
麻生氏は、支持率低下に喘ぐ岸田政権に見切りをつけ、次の総裁に茂木敏充幹事長を据える意向をもっていたとされるが、「岸田の乱」といってよい派閥解散の動きのなかで、どのような政局の主導権奪還に向けた動きを見せるのか、注目したい。
【近藤 将勝】
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