「もう天井?」2024年地価公示、福岡はさらに上昇(3)
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博多旧市街とららぽーと
博多駅の北側、地下鉄・祇園駅や呉服町駅、櫛田神社前駅の周辺エリアでは、引き続き地価上昇が顕著となっている。モダンプロジェ(福岡市中央区)は、地下鉄・呉服町駅まで徒歩4分のオフィスビルを取得し、賃貸マンション開発を予定。同社は古門戸町や下呉服町、上呉服町、石城町、奈良屋町など周辺エリアで活発に賃貸マンションやオフィス開発プロジェクトを進行している。天神・博多へのアクセスの良さが見直されてきたことによるもので、近年は大博通りや昭和通り沿いを中心にオフィスビル開発が数多く行われてきた。(株)サンケイビルが開発を手がけたS造・10階建のオフィスビル「大博スカイスクエア」は、今年1月末にゴールドマン・サックス系の私募リートへ売却されたほか、福岡地所や第一生命保険(株)が開発を手がけたオフィスビル「博多FDビジネスセンター」は福岡リートへ売却されるなど、比較的大型の取引も活発に行われている。
依然として高い上昇率で推移しているのが、ららぽーと福岡の周辺だ。冒頭で紹介した通り、住宅地の上昇率1位の「麦野3-17-24」、2位の「諸岡1-24-10」を筆頭に、ここ数年大幅な上昇を続ける地点が多く、「ファーネスト博多ルシエEAST(56戸)」「同WEST(59戸)」「オーヴィジョン博多レジデンス(27戸)」「ポレスター博多ミッドシティ(52戸)」「サンパーク博多那珂グラッセ(55戸)」など、分譲マンションの供給も継続されている。
【中央区】
北天神・大濠エリア中央区で3年連続10%以上の上昇となったのは17地点で、博多区に比べて面積が狭いこともあり、満遍なく上昇している印象。m2単価100万円超で3年以上10%超の上昇を続けた地点は11地点と、博多区の9地点を上回った。継続して上昇しているのは、「天神4-2-34」「舞鶴1-4-30」「長浜1-4-13」など、天神および天神に隣接する地点も目立つ。
天神から西、とくに地下鉄沿線は安定した需要で推移しているが、今回地価上昇が目立ったのは商業地の上昇率3位「荒戸2-1-5」、5位「荒戸1-5-20」だろう。周辺は低層テナント付マンションなどへの需要が高いと評価され、大濠公園に近い立地もあり財閥系デベロッパーらによるマンション開発も目立ってきたエリアだ。昨年12月に三井不動産レジデンシャル(株)が荒戸3丁目で開発用地を取得したことも、記憶に新しい。赤坂から荒戸までのエリアは、中央区内の上昇率トップ10に6地点入っており、すべて16%以上の上昇率を誇るなど、市内でもトップクラスの値上がりエリアと言っても過言ではない。
(つづく)
【永上 隼人】
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