中国で業界特化型AIモデルが次々誕生(後)
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特化型AIモデルが次々誕生
デジタルヒューマンがライブコマースを行うと、人間が行う場合と比べてコストを85%カットすることができ、商品の取引額も85%に達する。これまでなら、カスタマーサポートセンターのAIアシスタントとチャットをしても、意思の疎通がうまくいかず、スタッフに切り替えてもらわなければならないというケースも多かった。しかし、今ではAIアシスタントが問題の90%を解決できるようになっている。文字を一言打ち込むと、AIはポスターやスクリプト言語、動画を生成し、二次加工までしてくれるようになっている。中国インターネット検索最大手の百度のクラウドサービス「百度智能雲」は、基盤モデルを応用した製品の発表会を行い、基盤モデルをベースにして、さまざまなシーンに特化したAIモデルをまとめて発表した。
金融や工業といった分野を見ると、基盤モデルは企業の効率アップに大きく貢献するようになっている。「馬上消費」の孫磊副総経理は、「金融業は知識集約型業界に属する。産業革命の益を受けることはあまりなかったものの、AI時代は多くの益を受けることができるだろう」との見方を示し、昨年8月に打ち出した金融に特化したAIモデル「天鏡」を例にして、「『天鏡』を採用して以来、当社のマーケティング業績は30%以上上昇した」としている。
特化型AIモデルの分野が「ブルー・オーシャン」に
AIモデル産業は大きな発展を遂げているが、そこに参入するとどんなチャンスがあり、そこに参入する意向を示す起業家はどんな課題を乗り越える必要があるのだろうか?
360集団の創始者・周鴻禕氏は先ごろ行われたAIをテーマにしたフォーラムで、「資金や技術の蓄積が十分にない起業家は汎用的な基盤モデルには参入しない方がいいだろう。理想だけでは成功することはできない」と指摘し、「現時点で、汎用的な基盤モデルは、中国では主に文章作成や画像作成などに応用されている浅い段階。1つのシーンに深く入り込み、ユーザー主導の1つの業界に特化したAIモデルは今年、爆発的に成長するだろう」との見方を示した。
金沙江創業投資基金の朱嘯虎マネージング・パートナーも、「起業家が汎用的な基盤モデルを利用してもあまり意味がない。それよりも、ユーザーやシーン、データを取得することに力を入れる方が価値がある」との見方を示す。朱氏は中国の汎用的な基盤モデルを専門とする会社のビジネススタイルについて、「はっきりとした商業化のルートやデータによるサポートが不足している会社が多い。投資家は一層慎重になっており、ビジネススタイルが明確ではないAI系会社をサポートすることを避けている」と指摘したこともある。
北京同為私募基金管理の創始者の周偉最高経営責任者(CEO)も最近開催された基盤モデルをテーマにしたイベントで、「1つの業界に特化したAIモデルのほうが生き残りやすい。当社は主力となっているスタッフや多くの資金をそうした特化型のAIモデルに集中的に投入している」とした。
(了)
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