2024年06月21日( 金 )

グループ創業100周年に向けて、「ANDPAD」導入によるDXを推進

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溝江建設(株)

(左)建設部工事一課・荒平龍海氏、(中央)専務取締役・吉橋謙一氏、(右)建設部工務課課長代理・田中裕介氏
(左)建設部工事一課・荒平龍海氏、
(中央)専務取締役・吉橋謙一氏、
(右)建設部工務課課長代理・田中裕介氏

全現場にANDPAD導入
案件ごとの現場講習も

 1940年に飯塚の地で木材商として創業し、64年10月に法人化した溝江建設(株)。これまで住宅開発部門への進出を皮切りに、建築・土木・都市開発部門へと事業を拡大し、現在は同社を中核とした「みぞえグループ」を形成。あらゆる事業の基本を「人に喜ばれること」と掲げ、商業施設や教育文化施設、公共施設、医療福祉施設、生産流通施設、神社仏閣、情報インフラ整備など、多岐にわたる工事実績を積み重ねてきている。

 その同社では現在、(株)アンドパッド(東京都千代田区)が提供するシェアNo.1のクラウド型の建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を導入。図面・黒板・資料共有・チャットなどの機能を活用し、各員にタブレットを支給して現場での作業効率を向上させるほか、本社管理部門との情報共有にも役立てるなど、全社を挙げてDXによる働き方改革や生産性向上などに取り組んでいる真っ最中だ。現在、同社のすべての現場でANDPADを活用しており、複数の現場が同時並行で進んでいく状況下において、もはやANDPADなしには業務が成り立たないと言っても過言ではない。

    同社建設部工務課・課長代理の田中裕介氏は、「実は、以前は他社の施工管理アプリを使用していたこともあったのですが、機能が限られていたり、処理速度が遅かったりで、現場で活用する際の不便さがあったほか、サポート体制にもやや不満がありました。ANDPADではそうした不便さは解消されたほか、他社アプリにはなかった便利な機能の存在、さらにはアンドパッド社による手厚いサポート体制の存在も導入の決め手でした」と話す。

 アンドパッドでは、サービスを導入する企業に対し、ヒアリングによって業務内容や課題などを把握したうえで、企業ごとにカスタマイズされた導入機能や運用フローなどを提案。溝江建設の場合も、導入に際しての全社的な説明会の実施はもちろんのこと、導入後も案件が立ち上がるたびに、協力会社を含めたかたちで現場での講習も実施してくれているといい、こうしたサポート体制は人材教育面でも効果を発揮しているという。

 またANDPADは、ITツールに疎い人でも直感的に使えると、使いやすさ(ユーザビリティ)も高く評価されている。たとえば溝江建設では、ガラケーしかもっていなかった熟練の現場所長が、最初は渋々ながらも使い始めるとすっかり慣れて、今ではANDPADで指示出しを行うまで使いこなせているという。

効率化だけでない、多彩な効果を実感

 もちろん実際の施工現場における反応も上々だ。同社建設部工事一課の計田頼孝(とだ・よりたか)氏は、「ANDPADは図面の拡大・縮小などが容易に行え、施工図をズームアップして細かい部分まで確認できるほか、実際の寸法などもタブレット操作ですぐ出せるのが非常に便利ですね。また、電子黒板を事前に準備することができ、現場で撮影すれば自動で写真整理ができる機能も重宝しています」──と、施工現場での使い勝手の良さに太鼓判を押す。

建設部工事一課・計田頼孝氏
建設部工事一課・計田頼孝氏

    また、「やや納まりがわかりにくい施工の際に、平面図であれば気づかなかったところを、ANDPADのBIMビューワ機能によって立体的に確認できたことで、間違わずに進めることができました。もし気づかずに進めていたら、後々やり直しを余儀なくされ、工期に間に合わなかった可能性もあります」(計田氏)といい、施工ミスを未然に防ぐことにも寄与したケースがあるという。ほかに、狭小地での施工において足場を組む際の確認や、遠隔管理が可能なことで現場写真の撮り忘れの撲滅、細かなところでは、紙で図面を出力するという手間やコストが削減されたほか、以前であれば紙の図面を出力して職人へわたしていた手間も削減されるなど、作業効率化だけでなく、情報管理やペーパレス化など、さまざまな面でのプラスの効果が確認されている。

 さらに新卒入社2年目の同社建設部工事一課の荒平龍海氏は、「まだ現場経験は浅い私ですが、ANDPADは直感的に操作できるので、先輩社員に使い方をレクチャーしたり、写真の撮り忘れを指摘したりするケースもあり、微力ながら戦力として役立てている実感はあります」と話す。ANDPADが良い意味で、若手とベテランとの壁を取り払う役目もはたすツールとしても機能している模様だ。

 ほかにも、「ANDPADを選んで良かったと思うことの1つに、開発と直接話ができるため、こちらの要望や意見を汲み取ってもらいやすいという点もあります。ANDPADはAPIをオープンにしているとのことなので、いずれは当社の既存システムとの連携も行い、業務に関わるシステムを一本化していければ」(田中氏)という意見もあり、溝江建設では今後のANDPADのさらなる機能拡充に期待を寄せている。

 最後に同社・専務取締役の吉橋謙一氏は、ANDPADの活用も含めた自社の今後について、次のように話す。

 「当社は今年で60周年を迎えますが、2040年には当社を含めたみぞえグループが創業100周年の節目を迎えるため、それに向けて今年4月から社内でもさまざまな改革を進めています。今の建設業界全体が抱える課題でもありますが、当社も企業としての持続可能性を高めるため、まずは人材の若返りを図っていきたいと考えており、そのためのさまざまな取り組みを行っているところです。ANDPAD活用によるDX推進は、その一助になるのではないかと大いに期待しています」。

【坂田憲治】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:溝江弘
所在地:福岡市中央区赤坂1-9-20
設 立:1964年10月
資本金:1億円
URL:https://mizoekensetsu.co.jp

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