菅前首相、萩生田・加藤・武田氏らと会食~9月総裁選など今後の政局への影響
-
自民党の菅義偉前首相は6日、東京都内のすし店で、萩生田光一前政調会長、加藤勝信元官房長官、武田良太元総務大臣、小泉進次郎元環境大臣と会食した。いずれも岸田政権において非主流派の立場にある。萩生田・加藤・武田の3氏は、菅政権で閣僚を務め、定期的に会合を行っており、それぞれの頭文字をとって「HKT」と呼ばれている。
岸田政権の内閣支持率が低迷したまま、23日に国会会期末を迎える。岸田首相は、党内外の状況を踏まえ、衆議院の解散は行わず、7月に内閣改造を考えているという。菅氏らは、約3カ月後に迫った自民党総裁選への対応などについて話し合ったとみられる。
5人のうち注目すべきは武田氏と菅氏だろう。武田氏は福岡11区(田川市や豊前市など)選出で、福岡政界において麻生太郎副総裁とは地方選などをめぐり確執を抱えている。岸田首相が派閥解散などをめぐり麻生氏との関係が微妙なものになるなか、武田氏の存在感が高まっているとみる永田町関係者は少なくない。
政治言論誌である『月刊日本』6月号で、「正すべきところはきちんと正していきますが、政治活動の自由を妨げるような規制をつくるべきではありません」と持論を語り「政権の支持率をあげるために拙速に法律を変え、30年後の政治家たちの足を引っ張るような真似はすべきではありません」と、政治資金規正法の改正は、時間をかけて慎重に議論すべきと主張していた。
発言からもわかるように、武田氏は岸田首相(自民党総裁)ら執行部に公然と異議を唱えている。派閥の政治資金問題で、1年間の党役職停止処分を受けたが、政治家として譲れない一線は堂々と主張していくべきとの立場は変わらないようだ。
菅氏は神奈川県横浜市が地盤だが、4日の党横浜市連の会合で市連会長が「政治資金規正法改正案成立のめどがついた今、トップの総裁自らが責任を取り、身を引く苦渋の決断をしていただきたい」と首相に辞任を迫る発言を行った。会合には神奈川県連会長を務める小泉氏も同席していた。
菅氏は首相の座から引きずり降ろされたことをいまだ根にもっているとされ、時機を見て復権を狙っているとされる。市連会長の発言は菅氏が観測気球をあげたのだとみる向きもある。
菅氏や武田氏の一連の動きを見ても、今後の政局を考えるうえで、非主流派の動向から目が離せないといえるだろう。
【近藤将勝】
企業調査会社(株)データ・マックスが手がける経営情報誌『I・B』やニュースサイト「NetIB-News」は、信頼性の高い情報ソースとして多くの経営者にご活用いただいています。メディアとしてさまざまな情報を取り扱っており、国内外や地元福岡の政治動向に関する情報は経営者以外にも自治体組長や国会議員、地方議員などに幅広く読まれています。
そこで、さらなる記事の質の向上を目的に、福岡の政治・行政、また中央政界の動向などをテーマにオリジナル記事を執筆いただける政治・行政記者を募集しております。
記事の内容は、インタビュー、政局や選挙などを中心に扱います。詳しくは掲載実績をご参照ください。
企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。現在、業界に身を置いている方や行政取材に興味がある方なども大歓迎です。
ご応募いただける場合は、こちら(hensyu@data-max.co.jp)まで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点などがございましたらお気軽にお問い合わせください(返信にお時間いただく可能性がございます)。
関連キーワード
関連記事
2024年12月20日 09:452024年12月19日 13:002024年12月16日 13:002024年12月4日 12:302024年11月27日 11:302024年11月26日 15:302024年12月13日 18:30
最近の人気記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す