イコモスが、初代門司港駅遺構の保存求め北九州市に声明文提出
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明治時代に建設された北九州市門司区にある初代門司港駅遺構の保存をめぐり、国際機関から北九州市や文部科学省などに緊急声明が提出された。
25日付で国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス、本部・パリ)は、初代門司港駅遺構の取り壊しの方針に対して「重大な懸念」を表明する緊急声明を提出。声明はイコモスのテレサ・パトリシオ会長名で出された。
市は、遺構の付近に複合公共施設建設を予定しているが、学術団体や市民などから反対の声が上がっていた。反対の声が高まるなかでも、武内和久市長は、取り壊しの方針を変えず、今回の緊急声明となった。
声明のなかで、初代門司港駅遺構は、「西洋の近代建築土木技術と日本の伝統的な近世的建築土木技術が融合した物的証拠」と述べたうえで「国際的にも重要」と指摘。取り壊しは「日本の文化遺産保護政策に反するもの」と反対している。
傘下団体である日本イコモス国内委員会が26日に同委員会のホームページに邦訳の声明文を掲載している(ICOMOS Japan)。
遺構は、施設建設にともない、市が2023年9月から実施した埋蔵文化財発掘調査で、発見された。約900平方mの敷地から、駅舎の外郭や赤れんがの基礎部分などが確認されており、専門家は、遺構は、日本の近代化の過程を物語る貴重なものだとして、現地保存を主張している。
【近藤将勝】
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