2024年12月26日( 木 )

旧統一教会系団体が「信教の自由」訴え抗議デモ~1,200人参加

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 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)でつくる「基本的人権・信教の自由を守る福岡県民の会」は4日、福岡市内で集会とデモ行進を行った。県民の会によると、約1,200人が参加したという。

デモ行進する旧統一教会信徒
デモ行進する旧統一教会信徒

 今回の抗議デモは、国が宗教法人法に基づいて東京地裁に出した解散命令請求や、福岡市が昨年から市の公共施設の利用を教団および関連団体に認めない措置を行っていることに抗議する趣旨で行われた。

抗議文を読み上げる信徒
抗議文を読み上げる信徒

    福岡市役所に隣接するアクロス福岡のイベントホールで開かれた集会では、北九州市議会議員・井上真吾氏などの来賓挨拶のほか、教団側の代理人弁護士を務める中山達樹弁護士による講演が行われた。この他、2世信者や現役信徒からの意見表明も行われ、会場からは「そうだ!」などといった激励の声が上がった。

 最後に、集会の声明文が2名の信徒によって読み上げられ「福岡市や北九州市は、一部の批判的な声だけを聞きいれるのみで、公平性・中立性を守るべき自治体としては異常な対応」と両自治体の対応を批判したうえで、「福岡市と北九州市両議会の対応に断固抗議し反対する」と述べた。

 集会後、中山弁護士や井上市議などが、報道機関の取材に応じたが、その隣で主催者の運営方針に不満を持つ一部信者がスタッフと揉みあいになり、「あなたは出入り禁止とします」と言い渡される一幕もあった。

福岡市に抗議するのぼりを掲げる信徒
福岡市に抗議するのぼりを掲げる信徒

    デモ行進は8つの梯団に分かれて、福岡市・天神の幹線道路を、のぼりやプラカードをもって行進し、福岡市役所を取り囲んで、「家庭連合(旧統一教会)に対する不当な解散命令請求、断固反対」「信教の自由を守ろう」などの声を上げた。福岡県の信徒のほか、佐賀県や熊本県からも参加していた。

 高齢の信徒が目立ったが、若い女性や子ども連れの参加者もおり、水分補給をしながら、歩いていた。

 また、一部の保守系団体などが市役所付近で、国旗を掲げて教団に対する抗議行動を行い、「被害者を救済しろ」「統一教会を叩き出せ」と拡声器で主張した。

旧統一教会に抗議する保守系団体
旧統一教会に抗議する保守系団体

 デモの実施にあたり福岡県警は、交通整理を行う警察官のほか、制服や私服警察官約50人を配置し、団体同士のトラブルなどが発生しないよう、厳重な警備体制で臨んだ。

 旧統一教会によるデモ行進や集会は全国各地で行われており、九州では6月16日に熊本市で集会とデモ行進が行われている。

 22年7月の安倍晋三元首相の事件から旧統一教会の問題が再燃したが、2000年代前半、警察は、全国規模で教団の霊感商法などを摘発し、当時の会長が辞任する事態になった。ところが、09年の民主党政権への交代を機に、教団側が安倍元首相に接近し、一時期は距離があった自民党と教団が再び結びつくようになった。

 今回デモに参加している北九州市議会議員もいたが、別の北九州市議会議員(自民党)は、データ・マックスの取材に対し「旧統一教会と決別するという市議会の決議に賛成しながら、一方でこのようなデモに参加することは許されません。被害者の方々に顔向けできません」と語った。

 政治の思惑で多くの被害者が増え、そして安倍氏自身も凶弾に倒れた。その総括がいまだないなかで、教団の活動が活発化、他方、メディア報道も少なくなっている。もちろん信徒個々人の信仰心や取り組み全部を否定するものではないが、多くの社会的被害が出たことは真摯に受け止めるべきだろう。

【近藤将勝】

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