福岡・八女市長選めぐり自民党・農政連内の対立が激化、推薦決定見送り
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任期満了にともなう市長選が11月に行われる福岡県八女市。現在、元経済産業省課長補佐の簑原悠太朗氏と、八女市の元副市長である松尾一秋氏が立候補の意向を表明している。
市長選まで残り2カ月、9月の自民党総裁選が終わると、11月にも衆議院解散総選挙が行われるとの見通しもあるなか、八女市の自民党・農政連の支部内で簑原・松尾両氏のどちらを推薦するのかで対立が激化し、収拾がつかない事態にあるという。
「福岡・八女市長選をめぐり地元代議士事務所『出馬を促していない』と否定」でお伝えしたように、地元選出の藤丸敏衆議院議員(自民党)の事務所は、データ・マックスの取材に対し「元官僚の方に出馬を促したなどの事実はない」と否定しており、八女市元副市長・松尾氏の支援を積極的に行っている。
これに対し、保守系市議の一部は、「簑原氏を応援する」と宣言し、自民党八女支部の支部長の一部もそれに同調している。蓑原氏の陣営は、保守系以外にも、元中学校校長で子ども食堂の運営などを行う「チャイルドサポートネットワーク代表」の下川京子氏ら、教職員組合OBなどのリベラル系も応援しており、「右から左まで入り乱れての支援となっている」(八女市議)という。
こうしたなか、自民党八女支部が24日、福岡県農政連八女支部が28日に会合を開き、市長選への対応を協議した。しかし、最終的に簑原・松尾両氏のどちらを推薦するのか結論が出なかったという。
自民党八女支部の24日の会合では、地元代議士の藤丸氏と、八女支部長の桐明和久県議会議員が松尾氏を推薦したいとの意向にあったといい、とくに藤丸氏は松尾氏の推薦を強く主張したようだ。
前市議で副支部長・寺尾高良氏は、データ・マックスの取材に対し「八女にきちんと何年か住んで、地元を知ってから出るというならまだわかるが、現実を知らずに市長になりたいというのは地元を馬鹿にしている」と述べ、「現職市長が後継指名した前副市長は、市職員として長年勤務し、よく地元を知っており、重みがある」と推している理由を語った。
しかし、簑原氏を推薦すべきという声もあって結論は先送りとなり、9月中旬に再度、会合を開き決定するという。
農政連八女支部(木下喜之支部長)の28日の会合では、旧八女市と旧八女郡の支部長による協議を行ったが、自民党と同様、結論が出なかった。
関係者によると、木下支部長と農政連公認の県議・栗原悠次氏が欠席のまま、簑原・松尾両氏のどちらを推薦するか話し合ったが、旧星野村・黒木町・上陽町の3支部が簑原氏、旧八女市・立花町・矢部村の3支部が松尾氏で、同数だった。このため、結論が出ないまま終わったという。
ただ、簑原氏を推す星野村の関係者のなかに「“自民党のやり方は不当だ”とするチラシを保守系議員らに配布する」と主張した人がいた模様で、八女市における保守勢力の分裂が激しさを増しつつある。
【近藤将勝】
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