福岡再開発2025 次々完成迎える天神ビッグバン(中)
-
ヒューリックスクエア福岡天神
明治通りと新天町に挟まれて立地していたオフィスビル「ヒューリック福岡ビル」(所有:ヒューリック(株))も現在、高級ホテルを核とした大型複合商業ビル「ヒューリックスクエア福岡天神」へと生まれ変わろうとしている。
同ビルの建物コンセプトは「THE GATE」となっており、天神地区への入口にふさわしい新たな賑わい拠点としての「GATE」を形成するほか、ホテル、オフィス、商業の異なる3つの用途の積層を照明計画などで表出させ、街に印象的な景観を創出。外壁パネルには帯状に幾何学的な模様が連なるパターンを設け、陰影により表情を変える新たな街のシンボルを生み出していく。
また、低層部および中層部には四季折々に花の咲く植栽を設けることで、まちに潤いを与える計画となっている。
また、地上10~19階部分には、ヒューリックホテルマネジメント(株)が運営する「ザ・ゲートホテル福岡 by HULIC」が入る。「ザ・ゲートホテル」ブランドとしては九州初出店(国内6軒目)の同ホテルは、最上階19階にホテルロビーを構え、10~18階部分に6種類・計171室の客室を備える。
ヒューリックスクエア福岡天神は21年10月に天神BBBの認定を受けており、24年12月の竣工を予定。また、ホテル開業は、25年4月24日を予定している。
ヒューリックスクエア福岡天神
事業主:ヒューリック(株)
敷地面積:約1,450m2
延床面積:約2万860m2
規 模 :地上19階・地下3階建
用 途 :ホテル、オフィス、商業等
建物高さ:約92m
竣 工 :2024年12月(予定)天神住友生命FJビジネスセンター
明治通りの天神西交差点に面した天神2丁目南ブロックでは、住友生命保険(相)(以下、住友生命)と福岡地所(株)が「天神住友生命FJビジネスセンター」の開発を進めている。
同ビルは、住友生命福岡ビル(所有:住友生命)と天神西通りビジネスセンター(所有:福岡地所)の2棟を建て替えて一体開発するもので、地上24階・地下2階・塔屋2階建のビルを建てる計画。屈曲した道路の正面にテナントが自由に使えるバルコニーを各フロアに設置し、地上広場と2階の大きなテラス、バルコニーと人々の活動の賑わいがビルの表情となり、活気にあふれる街である天神の西の象徴としてふさわしい景観を形成する。
また、足元部分には明治通りに沿って帯状に緑を設け、歩行者に潤いを提供。福岡市地下鉄・天神駅と接続する計画で、地下鉄からの玄関口となる敷地の東側には大きなピロティ空間を設けるほか、敷地の西側にも大きなひさしのある広場空間を創出する。さらに、市が進める「感染症対応シティ」や環境負荷の低減にも貢献するほか、敷地北西の地上広場にはアートの設置を計画し、「Fukuoka Art Next」の取り組みにも寄与する。
22年6月には天神BBBの適用を受けており、25年5月の竣工を予定している。
天神住友生命FJビジネスセンター
事業主 :住友生命保険(相)/福岡地所(株)
敷地面積:約2,820m2
延床面積:約4万2,000m2
規 模 :地上24階・地下2階・塔屋2階建
用 途 :オフィス、店舗、駐車場
建物高さ:約113m
竣 工 :2025年5月(予定)天神1-7計画
前号(vol.78/24年11月末発刊)でも触れたが、天神1丁目のイムズ跡地では、三菱地所(株)による「(仮称)天神1-7計画」が進んでいる。
天神1-7計画は、地上21階・地下4階建の複合ビルを開発していくもので、低層部および地下に商業施設を設けるほか、中層部はオフィス、高層部はホテルとして活用する。地下2階~地上2階にかけての商業施設ゾーンでは、約1,100坪のなかにさまざまなタイプのショップ&レストランを展開。地上3~5・7~15階(6階は機械室)は、総面積約8,000坪、基準階面積約790坪の無柱空間のオフィスフロアとなる計画で、最小区画30坪台からの利用が可能。レイアウト効率が高くさまざまな働き方に対応でき、約3,000人の就業者数を想定している。
地上1~3階および16~20階のホテルフロアには、アジア地域において2施設目かつ九州初進出となるアメリカ・シアトル発のホテルブランド「エースホテル」が入る。高層部の全192室の客室のほか、1~2階のラウンジ、カフェバー、レストラン、ギャラリー、3階のMICE対応が可能なファンクションルーム・ミーティングルーム、19~20階のルーフトップバーなどを備える。
建物外観の特徴として、都市と自然が調和した都市空間の形成を目指し、建物外装には九州産材のCLT(直交集成板)のパネルと植栽を有機的に配置するほか、渡辺通りに面する敷地南西側の建物低層部にはV字柱と吹き抜け空間を整備することで、シンボリックかつランドマーク性の高いデザインを実現する。また、建物外周部ではFukuoka Art Nextの推進に寄与するパブリックアートやベンチなどの休憩施設を設置することに加え、公共空間を美装化し、豊かで潤いのある空間を形成。駐車場車路はワンビルと共用することで、地上部の車両混雑に配慮するとともに、福博であい通りにおいて歩車分離された安全な歩行空間を確保するなど、周辺施設とも連携することで、来街者が行き交い、天神エリアの回遊性向上や一体感の創出を目指していく。
同ビルも22年8月に天神BBBの認定を受けているほか、市が推進する「感染症対応シティ」や「Fukuoka Art Next」などにも寄与する方針で、24年5月に着工。26年12月末の竣工を予定している。
(仮称)天神1-7計画
事業主 :三菱地所(株)
敷地面積:4,640m2
延床面積:7万3,960m2
規 模 :地上21階・地下4階建
用 途 :オフィス、ホテル、店舗、駐車場
建物高さ:約91m
竣 工 :2026年12月末(予定)(つづく)
【坂田憲治】
月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
福岡のまちに関すること、再開発に関すること、建設・不動産業界に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。
記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。
企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。現在、業界に身を置いている方や趣味で再開発に興味がある方なども大歓迎です。
ご応募いただける場合は、こちらまで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)法人名
関連キーワード
関連記事
2025年1月3日 06:002025年1月2日 06:002024年12月20日 09:452024年12月4日 12:302024年11月27日 11:302024年11月26日 15:302024年12月13日 18:30
最近の人気記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す