2025年01月20日( 月 )

北九州市議選・過去最多の96人が立候補 激しい論戦が展開

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 北九州市議選(定数57)が、17日に告示され、26日の投開票に向けて激しい戦いが展開されている。立候補者数は、現在の7区制となってからは、過去最多となる96人。

夏の参院選の前哨戦

 立候補者の内訳は、現職45人、元職6人、新人45人。党派別にみると自民18人(現有議席15)、立憲民主党9人(同7)、日本維新の会8人(同3)、国民民主党2人(同1)、公明党13人(同13)、共産党9人(同8)、参政党1人(同0)、諸派1人(同0)▽無所属35人(同8)。なお、無所属には、政党の推薦を受ける候補者も含まれる。

 市議会の最大会派は「自民党・無所属の会」だが、昨年、会派から2人が離脱した。前回選では現職6人が落選。今回は前回失った議席の奪還を目指すこととなる。

 公明党は、夏の参院選と都議選の前哨戦ととらえており、党代表が19日現地入りした。昨年10月の衆院選で、自公は少数与党に転落し、厳しい政権運営を余儀なくされている。政令市である北九州市議選の結果が今後に与える影響は大きい。

 一方、野党は、市議会で会派を組む立憲と国民は現有議席を上回る候補者を擁立。県内の議会で北九州市議会が最も多くの議席を有する共産党も党幹部が来援するなどてこ入れを図っている。日本維新の会は是々非々やしがらみのない政治をアピールし、議席増を目指している。また、政党の公認を受けない無所属による候補者は35人で、若い世代や女性も少なくない。今回の選挙で無所属議員がどこまで増えるのかも注目される。

 23年の市長選で、議会の多くの会派・政党は、元官僚を応援し、議会内で明確に武内氏を応援したのは3人(うち、2人は衆院選に立候補し議員辞職)であった。そのしこりが解消されるまでには至っておらず、武内和久市長と議会の間には緊張関係が続いている。

 今回の市議選で、新たに当選した議員による「市長与党」といってもよいグループができるのかどうかにも関心が集まっている。

人口減をいかに食い止めるか

 区ごとの課題とともに北九州市の抱える課題は、人口減である。人口はピーク時の1979年は約106万8,000人だったが、2005年に100万人を下回った。現在、90万6,941人(1月1日時点)と減少が進む。若い世代は大学進学や仕事を求めて、市外に流出し、その多くは北九州に戻ってこない。北九州市は、人口減とともに高齢化率が全国の政令市のなかで最も高い。昨年8月、運転士不足で市営バスの平日運行本数を減便した。「地域の足」が減り、交通の便が悪くなれば、人口減に拍車がかかることにつながる。

 一方で明るい兆候もあった。昨年、60年ぶりに市への転入者が転出者を上回る「転入超過」となったのである。北九州においては、かつて賑わった黒崎駅前商店街など、まちの活性化や企業誘致などが急がれる。空港の滑走路延伸や響地域の洋上風力発電など新たなビジネス展開も期待されている。

 いかに雇用を含めた魅力あるまちづくりを行うのか、議会の役割は大きい。

 投票は26日午前7時から午後8時。市内238カ所(※小倉南区・平尾公民館は午後7時まで、小倉北区・藍島は24日に繰り上げ投票)で行われる。期日前投票は、市役所や各区役所で投票日前日の25日まで行われる。

【近藤将勝】

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