2024年11月25日( 月 )

日本一新を実現するための3条件

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NETIBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、日本を変えるためにはどうしたらいいか、原発・憲法・TPP・辺野古・格差、それらを解決するためにはどうしたらいいのか、植草氏が考える日本一新を実現するための3条件について触れた、11月19日のブログを紹介する。


原発、憲法=集団的自衛権、TPP、そして、辺野古、格差。5つの問題はすべて同じ根でつながっている。要するに、誰のための政治かという問題だ。原発、戦争、TPP、基地、格差を推進する母体は、グローバルな利益極大化を目指す強欲巨大資本である。
このなかに米国の軍産複合体も含まれる。

安倍政権は、この勢力の利害を代表して行動している。正確に言えば、この勢力の手先として行動させられているということだろう。このことが、日本の主権者にとっての不利益になる。主権者といえども、一枚岩ではない。グローバルな市場での利益極大化を目指す強欲巨大資本と利害を共有する主権者も存在するだろう。だから、すべての主権者と利害が衝突するわけではない。しかし、主権者のなかの圧倒的多数は、労働を提供して生活の糧を得る賃金労働者である。経済の世界では、経済主体は二つに区分される。資本の提供者と労働の提供者である。

数の上では、圧倒的多数が労働の提供者であり、資本の提供者は圧倒的少数である。安倍政権は、その圧倒的少数である資本の利益を極大化させるために行動している。その資本の司令塔がグローバルな強欲巨大資本である。その利害に沿って、危険極まりない原発を稼働し、戦争法制を強行整備し、TPP参加にのめり込んでいる。辺野古に基地を作るのは、米国の産軍複合体が命令しているからである。沖縄の県民が総意で反対していることなど歯牙にもかけない。

そして、この傾向は労働市場における施策、規制行政において、より明確になる。資本が求めることは、労働コストの最小化である。労働コストを切り下げるには、労働者の非正規化が必要である。労働者をいつでも解雇できる制度が必要である。安価な外国人労働力が必要である。安倍政権はこれらを実現することに邁進している。

さらに付け加えれば、国政を実施するためのコストの負担配分において、資本および資本提供者の負担を最小化し、一般労働者の負担比率を極大化させることを推進している。法人税が減税され、富裕層の所得税率が引き下げられる一方、中所得者層の所得税負担および消費税負担だけが急激に引き上げられている。

日本の主権者大多数は、安倍政治にNO!の意思を突きつける必要がある。自分たちが虐げられているのに、この政権を支持することほど馬鹿げた行動はない。安倍政治にNO!の意思を表示して、安倍政治を終焉させる。そして、主権者の利益を追求する新しい政権を樹立するのだ。このことが求められている。

日本一新を実現するのだ。それは可能なのか。答えはYES!だ。十分に可能である。しかし、これを実現するにはいくつかの条件がある。この条件が満たされなければ実現しない。条件とは何か。

3つある。第一は、連帯すること。連帯しない限り、実現は難しいだろう。第二は、選挙が公正に行われること。選挙作業に不正が入り込めば、主権者勢力が勝利することは難しい。日本の選挙事務制度には黒い霧が立ち込めている。投票用紙の目視での確認作業を行う権利が確立される必要がある。第三は、主権者が賢くなることだ。これが一番大事だ。

虐げられているのに、虐げる政権を支えていたのでは、現実はいつまでたっても変わりようがない。この三つの条件を整えて、これから実施される国政選挙三連戦に三連勝する。この明確な目標を掲げて、必ず勝利を勝ち取る。どの党が勝つということではない。主権者が勝ち取るのだ。主権者が日本を取り戻す!

※続きはメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1293号「TPPを止めるため、交渉差止・違憲訴訟に集結」で。
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