2024年下半期 福岡市の開発動向(中)
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博多区
計画は1,000戸超を維持24年下半期の計画戸数は1,259戸で、24年上半期比で509戸減となった。総戸数100戸超の計画が2棟にとどまったものの、JR博多駅や西鉄の新駅・桜並木駅周辺での開発が再び盛り上がりを見せた。また、博多コネクティッドや、コロナ過からの劇的な回復を見せるインバウンド需要を追い風に、オフィスビルやホテルの開発も勢いを取り戻している。
博多駅まで徒歩10分程度の博多駅南2丁目では、中村建設(株)が旅館・(仮称)access inn hakataを計画。建築物の概要は、RC造・地上10階建、延床面積584.85m2の全9室。営業予定者は、近年ホテル運営で目立つ(株)BEAD、設計者は(株)長澤設計で、着工予定は25年4~5月頃を予定している。
同じく博多駅まで徒歩10分圏内、福岡合同庁舎にも近い博多駅東3丁目では、(仮称)博多駅東オフィス開発事業が進む。建築物の概要はS造・地上8階建、延床面積6,671.26m2。建築主は(株)サンケイビル(東京都千代田区)で、設計者は(株)鴻池組大阪本店。このほか、ベイサイドプレイス博多側の石城町では、(株)コーセーアールイーによる(仮称)グランフォーレ石城町Ⅱ(RC造・地上14階建、延床面積7,300m2、ワンルーム182戸)、桜並木駅まで徒歩10分程度の寿町3丁目では(株)リアルティリンクによる(仮称)博多区寿町計画(RC造・地上9階建、延床面積873.75m2、ワンルーム24戸)が計画されている。
東区
人口増背景に開発堅調24年上半期比で45戸減の753戸となった東区。33万7,609人の人口(福岡市推計人口・24年12月1日現在、同年6月1日時点との比較で2,079人増)を擁しており、市内におけるボリュームゾーンとして存在感を発揮し続けている。
注目されるのは、JRおよび西鉄・千早駅から徒歩10分圏内の福岡高等技術専門校跡地で計画されている、(仮称)福岡高等技術専門校跡地有効活用事業。建築物の概要は、RC造(一部S造)・地上14階建、延床面積1万7,883.50m2のワンルーム66戸、ワンルーム外117戸の全183戸。東区で唯一となった計画戸数100戸超の物件で、建築主のスターツ九州(株)にとっては、九州初のPPP・PFI事業となる。今後、(株)九電工、(株)青木茂建築工房とともに、施設の設計・建設業務と70年間の維持管理・運営業務を行う。コンセプトには「千早フォレスト」が掲げられており、福岡県福岡農林事務所や千早公民館も入居予定となっている。また、隣接地ではハローパーク千早店が営業中で、相応の生活利便性が確保されている。
このほか、原田1丁目では、(仮称)原田1丁目ビル(RC造・地上10階建、延床面積3,071.79m2、ワンルーム外36戸)が計画されている。建築主は(株)フクエキ、設計者は(株)栄和設計コンサルタントとなっている。
中央区
賑わう六本松・大濠公園22年下半期以来の1,000戸超えとなり、上半期に続き計画戸数で博多区に次ぐ2位となった中央区では、中心地の天神や、中洲にも近い春吉エリアで飲食店やテナントビルの新設が目立ち、マンション開発は六本松や大濠公園周辺エリアで目立った。
七隈線・六本松駅から徒歩5分程度の油山観光道路沿いでは、JR西日本不動産開発(株)(大阪市北区)による(仮称)福岡市中央区梅光園1丁目プロジェクトが進む。建築物の概要はRC造(一部S造)・地上14階建、延床面積6,534.81m2、ワンルーム90戸、ワンルーム外33戸の全123戸。通りを挟んで向かい側では、(同)アクロスアセットプロパティによるアクロス六本松(RC造・11階建、延床面積1,421.49m2、ワンルーム20戸、ワンルーム外10戸)も計画されている。
空港線・大濠公園駅から徒歩約5分の大手門3丁目では、JR西日本不動産開発(株)とサンヨーホームズ(株)(大阪市西区)による(仮称)福岡市中央区大手門3丁目プロジェクトが進む。建築物の概要はRC造・地上14階建、延床面積2,660m2のワンルーム外39戸。設計者は(株)R.E.D建築設計事務所で、25年8月頃の着工を予定している。
同じく大濠公園駅から徒歩5分程度の中央区港2丁目の吉野家港町店跡地では、(有)田中興産による(仮称)大濠公園北プロジェクト(RC造・地上14階建、延床面積4,418.80m2、ワンルーム外52戸)が計画されている。隣接する舞鶴公園とともにセントラルパーク化が進む大濠公園と、同公園から徒歩15分程度の場所に位置し、再整備が進められている西公園。前回(まちづくりvol.74/24年7月末発刊)述べた通り、両公園間に位置する荒戸、港といったベイエリアでの開発が活発化している。
また、中洲川端駅から徒歩5分圏内の西中洲では、(株)LANDICホテル&リゾートによる(仮称)西中洲ホテル計画が、コロナ過を経てついに本格始動。東(RC造・地上9階建、客室数17室)・南(同10階建、32室)・西(同8階建、6室)の3棟からなるホテルで、設計者は(株)おおたに設計、25年3月頃の着工を予定している。
(つづく)
【代源太朗】
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