2024年下半期 福岡市の開発動向(後)
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南区
今年は駅前開発に期待南区の計画戸数は24年上半期比で407戸減となる264戸にとどまった。下半期は100戸超の計画物件がなかったほか、マンション開発件数自体も少なく、計画戸数が伸び悩む結果となった。注目されるのは、西鉄・高宮駅から徒歩10分程度の野間1丁目で進む(株)グッドライフカンパニーによる(仮称)LIBTH野間1丁目_194(RC造・地上12階建、延床面積1,450m2、ワンルーム44戸)。そして、同・大橋駅から徒歩15分圏内の大橋3丁目で計画されているラシュール・イン大橋Ⅱ。建築物の概要はRC造・地上11階建、延床面積1,490.86m2のワンルーム20戸、ワンルーム外10戸の全30戸。建築主は(有)五栄、設計者は(株)第一設計となっている。
24年下半期の計画戸数は振るわなかったものの、大橋駅前で進められている(株)えんホールディングスによる複合施設・OHASHI HILLが25年3月開業予定となっているほか、25年1月の着工予定で(仮称)大橋一丁目テナントビル(S造・地上5階建、延床面積2,100m2、飲食店、スポーツの練習場、カラオケなどが入居予定)が建築主・福徳興産(株)、設計者・大和ハウス工業(株)で計画されており、これらの新たなランドマークが呼び水となり、エリア内の再開発が盛り上がることを期待したい。
西区
姪浜以西が盛況24年上半期はマンション開発にも一服感が出ていたが、下半期の計画戸数は446戸(上半期比142戸増)となり、市内7区中4位に躍進。姪浜駅周辺エリアにおいても大英産業(株)による(仮称)サンパーク姪浜(RC造・地上15階建、延床面積3,697.34m2、ワンルーム外42戸)などのマンション開発が確認されたが、ランクアップの原動力となったのは姪浜以西エリアだった。
注目される物件は、JR九大学研都市駅まで徒歩5分圏に計画されている分譲マンション・エイルマンション九大学研都市。建築物の概要はRC造・地上8階建の、ワンルーム外25戸。建築主は作州商事(株)、設計者は(株)雅禧建築設計事務所で、25年3月頃の着工を予定している。また、同駅から徒歩10分圏内では(仮称)九大学研都市プロジェクト(RC造・地上6階建、延床面積3,844.93m2、ワンルーム外47戸)もあり、建築主はセントラル総合開発(株)九州支店、設計者は(株)ATOM建築設計室で、25年1月頃の着工を予定している。セントラル総合開発は同駅から徒歩5分程度のパーラーひまわり側でも九大学研都市Ⅱプロジェクト(RC造・地上8階建、延床面積2,765.38m2、ワンルーム外30戸、設計者・(株)サンユニオン)を計画している。
また、九州大学・伊都キャンパスのお膝元、九大新町では、ハッピーハウス(株)による(仮称)九大新町ビル(RC造・地上5階建、延床面積2,191.03m2、ワンルーム74戸)が、JR周船寺駅まで徒歩5分程度の場所では(株)LIFE DESIGN JAPANによる(仮称)周船寺2丁目マンションⅡ(RC造・地上6階建、延床面積1,620m2、ワンルーム40戸)がそれぞれ計画されている。
JR九大学研都市駅エリアの概況については、別記事で特集したので参考にされたい。
城南区・早良区
七隈線延伸効果に明暗城南区・早良区の24年上半期における計画戸数はそれぞれ44戸・208戸だったが、下半期は95戸・377戸となった。城南区の計画戸数は倍以上伸びたが、依然100戸を割り込む状況が続く。一方で、早良区は上半期比169戸増増となり300戸超えをはたした。前述の通り、早良区では七隈線沿線エリアの野芥、賀茂、次郎丸でマンション開発が着実に増えてきており、城南区との間で七隈線延伸効果の差が表れ始めている。
城南区で注目されるのは、七隈線・別府駅から徒歩15分程度の田島1丁目で計画されている(仮称)田島マンション(RC造・地上6階建、延床面積1,880.27m2、ワンルーム外24戸)。建築主は三島不動産(株)、設計者は(株)m3建築事務所で、25年4月頃の着工を予定している。
早良区では、空港線・西新駅から徒歩10分程度の城西3丁目で大英産業(株)による(仮称)サンパーク西新(RC造・地上13階建、延床面積2,424.79m2、ワンルーム外24戸)が計画されており、25年5月頃の着工を予定している。
25年上半期は誘引効果に期待
リニューアルが進む須崎公園では、いよいよ福岡市民ホールが3月28日にオープンを迎える。福岡市民会館は取り壊され、跡地には水辺に開かれた新たな須崎公園が誕生する。こちらは、27年3月の供用開始を予定している。通りを挟んで向かい側では、ボートレース福岡の駐車場の一部など約9,100m2を複合アミューズメントパークとして活用する「ボートレース福岡パーク化事業」が進む。同事業の優先交渉権者には大和リース(株)福岡支社を代表とする、(株)ムラサキスポーツ、パシフィックコンサルタンツ(株)九州支社のグループが選定された。
文化振興、憩いの場、そして複合アミューズメントパークが集約されることになる天神、那の津エリアでは、再開発の動きが活発化する可能性がある。これらの施設が誘引効果を発揮することで、まちの新陳代謝が促進されるのか、25年上半期の開発動向が注目される。
(了)
【代源太朗】
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