福岡市来年度予算案を公表~2学期から給食無償化を実現
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福岡市は14日、総額で1兆1,128億円となる2025年度一般会計当初予算案を発表した。5年連続で1兆円を超え過去最大の予算規模となる。教育・子育て関係予算と、公共施設やビルなど都市の緑化に重点を置いた。
地価の上昇による固定資産税の増加が市税収入を押し上げ、前年度比8.9%増の4,035億円と過去最高を更新。個人市民税は12.7%増の1,498億円、固定資産税は天神ビッグバン・博多コネクティッドによる地価の上昇により6%増の1,528億円だった。
福岡市の再開発による固定資産税の増加が見込めることから、2学期から市立小中学校および特別支援学校の給食費無償化を発表。25年度一般会計当初予算案に44億円を盛り込んだ。なお、給食費の月額保護者負担額は小学校と特別支援学校の小学部で4,200円、中学校と特別支援学校中学・高等部は5,000円となっている。
高島宗一郎市長は会見において「物価高騰が続いて負担が増えるなかで、なかなか収入が増えないが税金や社会保険料を除いた可処分所得を増やすこととなる。先の選挙結果を見ても国民の期待感は大きいものがあると認識している」と給食費無償化の理由を語った。
従業員の奨学金返還支援を行う中小企業に対しては、1社あたり年間50万円を上限に補助するため3,000万円を計上している。
インフラ整備では地下鉄空港線・箱崎線の新型車両「4000系」を5編成導入するため約62億円を計上した。「みずほPayPayドーム福岡」の最寄り駅である唐人町駅はイベント時の混雑が問題となっており、その対策としてICカードやクレジットカード決済専用の改札機を2台設置することも盛り込んだ。関連して市営地下鉄は全国の地下鉄で初めて、使用する電力を100%再生エネルギー電力にかえ、脱炭素化を進める。
また市は「花と緑があふれるまち」を掲げ、市庁舎や市営地下鉄駅で壁面やロビーなどの緑化促進に取り組むことも明らかにした。来年3月には国際的なガーデニングイベント「福岡フラワーショー」を開催する。
「歴史と文化が息づくまち」の柱として福岡城についても言及し、「福岡商工会議所からの提言を受けるなどこの1年、関心も高まってきた」(高島市長)として国史跡の福岡城跡の天守台とその周辺で発掘調査を行うことも明らかにした。
防災に関しては、「安心して過ごせる避難所に」を掲げ日本の災害避難における環境整備の遅れを指摘し、自治体が率先して取り組む必要があるとして災害時の避難所となる小中学校などの全市立学校の体育館には、27年度末までにエアコンを整備し、移動式トイレや簡易ベッドの拡充も進めることとした。
市債発行額は9.1%減(24年度比)で545億円。1人あたりの市債残高は88万円と前年度比で2万円減り、ピーク時の04年度(185万円)から半分以下となる。
高島市長は「福岡市の都市経営の基本は都市の成長と生活の質の向上の好循環させること」と訴え「より住みやすい住み続けたい福岡市になるようチャレンジを続けていきたい」と25年度予算案の意義について語った。
【近藤将勝】
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