【加藤縄文道31】カナダ先住民の手掛かり バンクーバーとトロントの博物館訪問

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縄文アイヌ研究会
主宰 澤田健一 氏

 カナダの先住民が使っていた道具についての情報がなかなか得られなかったため、バンクーバーとトロントの博物館を訪ねてきました。

 そこには日本の後期旧石器時代から縄文時代にかけて使っていた道具とまったく同じものがズラリと並んでいました。

(1)日本では3万8,000年前から使っていた刃部磨製石斧
(2)それから少し遅れて日本で誕生したナイフ形石器
(3)縄文時代草創期を特徴付ける有茎尖頭器
(4)文様が付いた土器
(5)日本のゴザとそっくりなマット
(6)縄文遺跡から出土するものと同じかたちをした櫛
(7)縄文遺跡から出土する離頭銛

 これだけ揃えば後期旧石器時代から氷河に覆われていたカナダに入植していったのは日本のご先祖さまたちで間違いないでしょう。

 ところで、トロントの博物館ROMの説明文では【考古学的発見によってこの大陸での先住民族の存在は、2万年から2万3,000年前まで遡ることが肯定されている】と書いてありました。

 米国の学会では北米に人類が到達したのは約1万6,000年前だとされています。日本の学者も後期旧石器時代のベーリング海峡は渡れなかったとしています。後期旧石器時代であった最終氷期が終わるのは約1万2,000年前です。1万6,000年前の北米入植者は丸木舟で渡ったと考えるしかありませんでした。しかし、カナダの学会が正しければこの説は覆ります。

 エスキモーやイヌイットは夏よりも冬の方が移動しやすいと言っています。それは一面が氷雪で覆われるので、どこまでも犬ぞりで行けるからです。ということは、北海道やシベリアで犬ぞりに乗るようになったご先祖さまたちは、氷河で覆われたベーリング海峡をそりで渡ったのかもしれません。そしてそれは充分に可能性があり、かつ合理的な移動手段であると思います。もっともっと詳しくカナダを知りたくなりました。

 なお、撮影してきました道具類につきましては「縄文アイヌ研究会」のホームページ上で詳しく解説する予定でおります。

 その他の情報も様々載せておりますので検索してご覧になってくださると幸甚です。

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