次世代型の介護研究ラボ「INOVEL BASE」開設

(株)ウチヤマホールディングス

緑を取り入れた空間設計
緑を取り入れた空間設計

 介護施設運営などを手がける(株)ウチヤマホールディングス(北九州市小倉北区、山本武博代表)は7月1日、小倉南駅近くに次世代型の介護研究ラボ「INOVEL BASE(イノベルベース)」を開設した。

 同社によると同種の施設は九州初。オープンイノベーションのなかでDXと地域連携を推進することを目的としている。イノベルとはイノベーションとウェルビーイングを掛け合わせた造語。同社は「人の感性とテクノロジーの融合を図る」ことを掲げ、最新のICTを活用した機器などを展示する一方で、緑が多くリラックスして交流できる空間に設計されている。

 展示品には、同社グループが九州工業大学と共同開発した介護記録入力アプリ「FonLog」、入居者の起床・睡眠などの状況を測定できる見守りセンサー「ANSIEL」(積水化学工業(株))、非接触で血圧などを図る機器などがあり、これらはすべて実際に施設で運用済みのものだ。各種ツールからデータが集まることで多くの気づきが生まれ、サービス改善につながっている。たとえば従前は入居者の深夜の排泄支援のために職員が定期的に巡回し、起こしてしまうことなどがあったが、センサーで検知しデータを集積することで排泄のタイミングを予測でき、入居者の睡眠を妨げずに支援ができ、かつ職員の負担も軽減できている。

 山本代表は、人手不足の介護業界ではICT・DXへの投資が必要だが、中小事業者の多くでは資金面などのため困難なケースもあるという認識のもと、こうしたツールを安価で導入できるよう支援したいとしている。イノベルベースでは、各種ツールの導入・活用をはじめとした運営の効率化推進による、持続可能な介護施設経営実現に向けてのコンサルティングにも応じている。また、隣のさわやかケアサポートでは福祉用具レンタル・販売も行っている。

INOVEL BASE(イノベルベース)    イノベルベースは自由に訪問でき、介護・医療事業者、行政、大学向けにセミナーなどを開催していく予定(第一弾は今月実施、同社HPまたはSNSで告知予定)。多様な人が集まり、介護に関する新たな課題、知見などが持ち込まれることで、より良い介護サービスのイノベーションが生じることが期待される。

【茅野雅弘】


<INFORMATION>
INOVEL BASE
(イノベルベース)
所在地:北九州市小倉北区弁天町3-6
TEL:093-583-1488

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