軍事パレードを控えた中国・北京の様子~北京視察(1)

 今週中国・北京市を訪問した。現在、北京では来週の9月3日に開催される抗日戦争勝利記念の軍事パレード(閲兵式)を控えている。市内中心部を中心に警察官らが多く動員され、一部観光地への出入り時にチェックを行っているほか、週末にはリハーサルのため、地下鉄や関連する道路の通行規制を行っている。もともと安全を非常に重視する中国はさらに多大な人力とコストを投じている。別目的での出張であったが、市内の雰囲気を視察する機会を得られたので報告したい。

北京市内の上空でドローン、気球などを飛ばさないよう求める通知(7月14日発)
北京市内の上空でドローン、
気球などを飛ばさないよう求める通知
(7月14日発)

    今年は1945年の第2次世界大戦終戦から80年。中国は今年は「中国人民抗日戦争及び世界反ファシズム戦争勝利80周年」の記念の年と位置付け、軍事パレード、抗日関係の映画・ドラマの放映など、日中間の歴史にかかわる各種行事やイベントを実施している。映画では興行収入も好調な『南京写真館』や上映開始が7月から9月に延期された『731』などがあり、駐在員との会話でも話題となった。それらの一連の行事でもっとも注目されているのが、9月3日の「抗日戦争勝利記念日」に行われる軍事パレード(閲兵式)だ。

 もともと7~9月は中国で日中関係が想起されやすい時期にあたる。7月7日の盧溝橋事件、8月15日の終戦記念日、先述の9月3日、9月18日の満州事件(柳条湖事件)と集中している。12月13日の南京事件と同様に、そのうちいくつかの行事について、日本も中国のハイレベルのどの指導者が式典に出席し、どのような発言を行うかを注視しており、それにより中国側の現在の日中関係への認識や今後の両国関係の重視度の度合いを測っている。

 パレードは当然ながら軍の最高ポストである中央軍事委員会主席を兼ねる習近平国家主席が閲兵するということもあり、注目度は高い。12年の就任以降、権力の集中を図ってきた習主席はさまざまな分野での安全を重視する政策を行ってきたが、もっとも重視しているものの1つが治安対策であり、テロリズム防止である。

「前門」エリアを警備する警察官
「前門」エリアを警備する警察官

    会場の天安門広場にほぼ隣接する観光地、前門エリアでは検問のために警官が配置され機械を設置しており、入るのに身分証の提示と登録が求められた。なお外国人であればパスポートを提示するだけでよい。もっとも、人が非常に多い観光地で時間をかけてはいられず。日本人ということもあってか、パスポートを一瞥するだけであった。27日には一部の地下鉄の駅でも抜き打ちで同様に検問が行われていた。

「前門」のモニュメント。後方左の「出口」で検問を実施
「前門」のモニュメント。
後方左の「出口」で検問を実施

    なお9月3日は北京でも休みにはならないという。週末の交通規制などについて、該当エリアのオフィスに出社している駐在員は、週末やパレード当日に仕事を行う可能性があるが、出社しなくても自宅で対応できるようにしているという。話を聞いた北京市民も、今月は週末に中心部に来ないようにしていると話す。

 北京首都空港を出発する際の手荷物検査後のボディチェックは、非常に時間をかけて行われていた。同空港を使用するのは久しぶりだが、国内外のほかの空港の3倍くらいの時間をかけていたように感じられた。中国ではモバイルバッテリーの発火事例が相次ぎ、6月から国内線搭乗時に中国の「3C認証」(日本のPSEマークに相当)がないモバイルバッテリーの持ち込みを禁止するなどしているが、そうした事情を考えても、ボディチェックに時間をかけているように思えた。なお、国際線は上記の制度の適用対象にはなっておらず、モバイルバッテリーを見せるよう求められたが、「3C認証」がなくても問題はなかった(リコール対象機種は没収されるとおもわれる)。

 今週末、9月3日に現地に出張などで行く予定のある方は、時間に余裕をもって、かつ危険視される可能性のあるものはもたないよう、注意して行ってほしい。

(つづく)

【茅野雅弘】

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