倍々コストで、建設業界に迫る業績の明暗

 福岡市地下鉄・姪浜駅南口から700mの場所で、マンションの供給が始まった。売値は3Kで7,000万円の売り出しとなる。販売戸数は50戸であるから完売すれば35億円の事業となる予定だ。

 この販売会社の幹部に聞くと、「建築コストが倍になって7,000万円の価格帯になった。売れ行きには不安はあるものの、完売すれば35億円の売上実績となり、効率が良い」と複雑な心境である。

 2009年のリーマン・ショック当時、70億円の完工高を上げていた建設会社は、現在では140億円と倍の規模に成長した。この会社の施工担当者は次のように打ち明ける。「建築の床面積は15年前も現在も変わっていません。請ける工事規模はかなり大きくなりましたが、この間、受注単価が倍増したので完工高が倍となったのです」。

 今後、建築コストの行方が業界各社の明暗をいかに分けるか。見ものである。

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