トヨタ自動車東日本が下請法違反で公取委から勧告 親会社トヨタのマニュアルに原因
10月31日、公正取引委員会は、(株)トヨタ自動車東日本(宮城県黒川郡大衡村、石川洋之代表)が下請代金支払遅延等防止法(下請法)に違反する行為を行っていたとして、勧告および指導を行い、さらに、同社の親会社である(株)トヨタ自動車に対して申入れを行ったことを発表した。
発表によると、トヨタ自動車東日本は、同社が下請事業者に対して製造を委託していた自動車部品の製造に用いる下請事業者所有の金型などについて、同社の承諾なしには廃棄させないようにし、2024年4月1日~25年3月31日までの間、部品の発注を長期間行わないにもかかわらず、下請事業者に対して合計440個の金型などを、無償で保管させるかたちで下請事業者の利益を不当に害していた。
さらに、自動車の量産終了後や補給対応型の体制に移行した部品について、あらかじめ下請事業者と協議のうえ、一括で製造させて在庫保管を行う「一括生産部品」の制度を採用していた。同社は、納期を定めずに製造を委託し、下請事業者が製造完了を報告したにもかかわらず、遅くとも23年8月1日~25年3月31日までの間、下請事業者7社に対して、合計777個の一括生産部品を自社のために無償保管させ、速やかな受領を行わなかったことで下請事業者の利益を不当に害していた。
公取委はこのような同社の行為が、下請法が規定する「不当な経済上の利益の提供要請の禁止」ならびに「受領拒否の禁止」にあたるとして、改善措置を講じるように勧告を行った。
なお、同社は下請事業者と協議のうえ、25年5月30日付で、金型などおよび一括生産部品の保管に関わる費用相当額として合計941万5,337円を支払い、受領が遅れていた一括生産部品777個についても、25年5月30日までに、代金相当額93万1,032円を下請事業者に支払い、全部受領を完了している。
また公取委は同社の親会社であるトヨタ自動車に対しても、トヨタ自動車が作成したマニュアルに違反行為が発生した重大な原因があるとして、下請法の規定に抵触する行為が再発することのないよう、当該マニュアルの見直しを含めた改善措置を講じるように申し入れを行った。
【寺村朋輝】

				
				
				
				
				
				
				
				
				
				
							
							
							
        
                          
                          
                          
                          
                          
									






