全国組織・全管協を仕切る高橋誠一名誉会長とは(4)全管協は会員企業へのノルマで違法行為を放置
全管協(全国賃貸管理ビジネス協会)をめぐる問題は、報じている自民党党員の拡大をめぐる問題や、連載で取り上げる予定の全管協グループ「全国賃貸住宅修繕共済協同組合」における不適切な会計処理など、枚挙にいとまがない。
前回総裁選で小泉氏を応援
全国の全管協加盟の関係者から、全管協の実権を握る名誉会長・高橋誠一氏の圧力によって、社会に対して公明正大といえない活動が強いられているとの声が上がっている。全管協本部の圧力や不適切な説明を改善し、政治活動の透明性と公正を確保しなくてはならないという切実な訴えだ。
自民党の職域支部でも最大級の党員数を誇る全管協の名誉会長であるからこそ、石破茂氏も首相時代、衆議院解散を宣言する前日の多忙な中、唯一の民間人である高橋氏との面談に応じたのであろう。当然、選挙支援について何らかの話があったことは想像に難くない。
前回、ちんたい議連会長を務める石破前首相と高橋氏の蜜月関係を紹介したが、石破政権は約1年で交代した。昨年10月の石破首相(自民党総裁)の辞任にともなう臨時総裁選において、全管協はどの候補者を支持していたのだろうか。
関係者によると、総裁選に立候補した小林鷹之元経済安全保障相、茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保相、小泉進次郎農相(いずれも当時)のなかで、全管協は小泉氏を支持・応援していたという。
小泉氏のSNSを確認すると、全管協の会合で挨拶する小泉氏の姿が確認された。

2025年6月4日、東京・丸の内のパレスホテルで全管協の定期総会・シンポジウムが開催されたが、Xの写真は総会後に行われた交流会に小泉氏が来賓として出席し挨拶したものだ。小泉氏の他、ちんたい議連会長を務める石破首相(当時)や菅義偉元首相らも出席している。
また、当シンポジウムでは、元財務官僚でリフレ派の代表的論客である高橋洋一氏も講演しているが、高橋洋一氏は菅義偉政権で内閣官房参与を務めていた。全管協関係者によると石破氏だけでなく菅氏ともつながっているという。同じ神奈川県選出という縁から菅氏は小泉氏の後見人であった。

総会において高橋誠一名誉会長は「16社で始めた全管協が、35年経った今では2,000社を超えるネットワークとなった。何もないところから収益源を生み出し、国会議員にさまざまな要望ができるようになった」と述べており、政治力の強さを誇っている。
石破氏と小氏は菅氏を介して協力関係にあったことで知られる。菅氏は2月の衆院選で引退したが、25年10月の総裁選では、キングメーカーである麻生太郎氏と菅氏の代理戦争の面があった。総裁選は国会議員票の295票、党員・党友票の295票の合計で争われた。
1回目の投票では、立候補した5人のうち、過半数を占めた候補はいなかったが、183票の高市氏、164票の小泉氏の上位2人が決選投票に進んだ。決選投票では、高市氏が過半数の185票を獲得して小泉氏の156票を上回り、総裁選を制した。菅氏は引退したが、現在も石破氏や小泉氏との関係は続いている。
政治資金規正法違反の疑い
高橋氏が誇る政治力は、全国にある賃貸住宅仲介管理事業者のネットワークと4万人の職域党員数である。しかし、その裏で行われている党員拡大ノルマ負担への反発の声は大きい。
全管協の複数の関係者は、当社の取材に対し「若い人の自民党離れがある中、党員になってくれる人を探すのも大きな負担となっており、本人の意思でなく拒否しづらい環境がある」「ロビー活動の必要性はわかるが、業界団体として透明かつ公正な運営を希望したい」「年々ノルマが増えるが、強制ではなく、個人でできる範囲で行うべきだ」など堰を切ったように語った。
自民党の派閥パーティーでの収入をめぐる裏金事件は政界を大きく揺り動かしたが、根拠法令である政治資金規正法は、政治団体の資金収支を公開し、寄付を制限することで、政治活動の公正を確保する法律である。
自民党員の党費は年間4,000円、家族党員は2,000円だが、全管協の会員企業や会員企業の代表者が、本来党員となる個人が支払うべき党費を負担している実態がある。この行為は政治資金規正法上の寄付行為にあたる可能性がある。
同法第22条の6項には「何人も、本人の名義以外の名義又は匿名で、政治活動に関する寄附をしてはならない」とある。企業やその代表者などが当人に成り代わって党費を支払うのは、違法行為にあたる恐れがある。全管協本部はこうした実態をどこまで把握しているのか。見過ごすわけにはいかない問題である。
(つづく)
【近藤将勝】








