第12回脊振山系山開きを開催して

 脊振山系の早良区エリアに70本、糸島エリアに200本、合計270本の道標設置完成記念として2014年4月から開始した「脊振山系山開き」は、今年で12回を迎えた。

 1回から5回目までは、早良区エリアは金山(967m)、糸島エリアは井原山(983m)と雷山(955m)で、隔年で糸島市のボランティア団体と同日開催してきた。第6回からは早良区エリアのみの開催となったが、第10回まではコロナ禍と悪天候により、中止せざるを得なかった。

 4年前から予備日も設けたが、開催日の4月29日のみ雨となり、予備日もまた雨となった。山開きを4月29日としたのは、脊振山系でコバノミツバツツジやツクシシャクナゲが咲き始め、ブナをはじめとする落葉樹が芽吹く、山登りには快適な季節だからである。また、昭和の日(昭和天皇の誕生日)は、もともと天候に恵まれた日が多かったからでもある。

 しかし近年は気候変動の影響か、4月29日は雨が多かった。山開きは天候に左右されるので、いつも天気予報とにらめっことなる。

 昨年の第11回、4月29日(火・祝)の山開きは晴天に恵まれ、久しぶりに開催できた。開催場所の金山山頂は登山者で溢れ、休憩場所もないほど混雑し、記念タオルが足らない程だった。

 午前11時ごろにはFBS福岡放送のヘリコプターが飛来し、3度ほど金山上空を旋回した。スタッフが記念タオルを広げ取材に応えた。地上でも取材があり、身近なゴールデンウィークの過ごし方として夕刻のニュースで放映された。

 今年2月はじめ、4月29日(水・祝)の山開きの打ち合わせを西南学院大学ワンダーフォーゲル部の主将、副主将、脊振の自然を愛する会のスタッフ(ワンダーフォーゲル部OB)で、大学の会議室で行い、昨年の混雑やタオル不足への対策を話し合った。

 山開きの開催準備にあたり、「今回から記念タオルは脊振山系に関連したイベントで使用したい」と早良区役所から申し出があった。山開きは早良区役所で事業化され、記念タオルは初回から早良区役所の費用で制作いただいている。

 新しい記念タオルを制作するにあたり、春はコバノミツバツツジ、夏はオオキツネカミソリの花を添えるデザインを提案した。費用の関係で2色刷りとなった。

新しくなった記念タオル
新しくなった記念タオル

 あとは、山開き当日の天候である。今年のゴールデンウィークの長期予報が出る。晴れマークから時間が経つにつれ、曇りと雨マークが付き始めた。一日に何度も天気予報を確認する。最終判断は早良区役所と開催日2日前の4月27日(月)にしていた。

 4月27日午前11時に区役所を訪問し、「4月29日の天気は何とか持ちそうです」と担当係長に相談すると「やりましょう」という返事が返ってきた。早良区役所も千石の郷臨時駐車場を基点として、公募で参加の10家族と坊主が滝までネイチャーゲームをしながら行くファミリー向けのイベントを企画していた。

 帰宅し、会員や学生たちに「29日は開催します、気温が低くなるので防寒対策をしてください」とLINEで知らせた。

 山開き前日の翌28日に会員Kと山開きのノボリ立てを行った。国道263号線のバス停と臨時駐車場箇所など3カ所である。

 コロナ禍以来、休業中の福岡市早良区石釜の千石の郷の駐車場を臨時駐車場として早良区役所経由で借用している。

 お礼として、毎回4月初めに会員たちと広い駐車場周辺の草刈りをして山開きに備えた。

 広大な駐車場周辺にある何本ものヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃ)の白い花が満開であった。曲渕ダム横の国道263号線の水源地前バス停近くの臨時駐車場(私有地を借用)にもノボリを立て、A3の用紙にパウチしたチラシもフェンスに貼り付けた。

<脊振山系山開き詳細>
金山山頂で午前11時~午後1時まで記念タオル配布
併せてアンケート用紙記入(名刺サイズ QRコード)
登山者・スタッフ対象に開催日にレクリエーション保険加入
登山ルートは坊主が滝ルート、花乱の滝ルート、三瀬峠ルート、山中地蔵キャンプ場ルートなど自由。

<山開きインフォメーション>
脊振の自然を愛する会のブログ
登山ショップ2カ所へ、登山者向けチラシの配布依頼
西日本新聞4月20日(月)に福岡首都圏版掲載
KBCラジオ 4月22日(水)午後3時15分からの『ハッピーアワー』出演にて案内

<4月29日(水・祝)山開き当日>
 スタッフと学生たちは午前9時に佐賀県側の登山口に集合。登山者の車を含め約10台の車で埋まった。簡単な朝礼後、金山山頂を目指す。ここから登山道を歩いて約1時間の場所である。

 参加した学生17名とOBスタッフ、会員を含め30名程が縦列をなして金山へ向かった。標高が上がると登山道は霧で覆われてきた。幻想的な光景でもある。

 厚い雲と霧に覆われた山頂は、すでに10人ほどの登山者が寒さに耐えながら我々の到着を待っていた。早々に山開きの2本のノボリを立てる。寒いなか、待っていた登山者に早めに記念タオルを配ることにした。狭い山頂はタオルをもらう登山者の縦列ができた。

記念シール
記念シール

    今回は記念のシールも作成し、名刺サイズのアンケート用紙と併せて配布、後輩の男女の学生たちが笑顔で手渡していた。

 「11時ごろFBSのヘリコプターが飛んでくる予定です、皆さんもう少し待ってください。元気に手を振りましょう」と筆者は登山者へ呼びかけた。厚い雲のなか、ヘリの音らしきものが聞こえた。しかし、しばらく待ったがヘリは飛んでこなかった。この視界では、無理だったのだろう。

ヘリコプターの取材を待つ登山者。ヘリは視界が悪く飛んでこなかった
ヘリコプターの取材を待つ登山者。ヘリは視界が悪く飛んでこなかった

 筆者の携帯にFBSスタッフから「いま地上で取材しています」と連絡が入った。山頂に登ってきたシニアの登山者がスマホで動画を撮影していた。FBSに山頂での様子を依頼されたという。背振少年自然の家の職員ということだった。ちなみに背振少年自然の家とは交流があり、筆者が写真パネルを提供し、ギャラリーとなっている。

 知人、友人が多くの登山者に揉まれながら登ってきた。「池田さん!」と声をかけられたので「やあ」と返事した。長年、キノコの会で活動した旧友で、筆者と同年齢である、友人を誘って登ってきてくれた。

 多くの登山者が記念タオルを広げ、金山の看板をバックに記念写真を撮っていた。

記念タオルを広げて登山者と記念撮影 (緑のジャンパーがスタッフ)
記念タオルを広げて登山者と記念撮影
(緑のジャンパーがスタッフ)
募金をする可愛い登山者と子どもスタッフ
募金をする可愛い登山者と子どもスタッフ

    今回、タオルは多めに用意していたが、200枚用意したシールはなくなった。スタッフを含め250名と公表した。

 時間も経ち、登山者の数も少なくなったので、山頂でワンダーフォーゲル部の新入部員の自己紹介が始まった。男女合わせ7人が出身高校や自己アピールなどを行い、山頂は笑いに包まれた。

 山頂は風もあり寒いので予定時間より早めに下山することにした。ノボリ2本を撤収し、後輩のHを先頭に登山口に続くエスケープルートを下った。参加した学生たちは初めてのルートで楽しんでいた。縦走路に淡いピンク色のツクシシャクナゲ1株が咲いていた。露を浴びてきれいだった。

 脊振山系で一番美しいブナ林帯を歩くと芽吹いた薄緑の若葉が生き生きしていた。30分ほど歩き、登ってきた金山への登山道に合流。その後40分ほどで登山口へ戻った。終礼をし、参加した学生やスタッフにお礼を述べ、「気をつけて帰ってください」と一言添えた。また三瀬有料トンネルの料金所手前に公衆トイレがあるので、休憩を含め立ち寄るよう勧めた。

 筆者は同期のIと臨時駐車場と国道のバス停に立てたノボリを回収しながら自宅へ向かった。登山者やスタッフの怪我や事故もなく安堵した。

 夕刻、ホークス戦の中継からFBS福岡放送にチャンネルを切り替えると、「脊振山系山開き・お金をかけず自然を満喫」とニュースで放映されていた。参加した知人がインタビューを受けていた。

脊振の自然を愛する会
代表 池田友行

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