福岡県議会問題について吉松源昭県議にインタビュー(3)税金の無駄? ワンヘルス事業に潤沢予算
吉松県議が告発した理由の1つが、県民の税金が無駄になっていると実感していたことだ。自民党県議団幹部に異論を唱えられない雰囲気のなかで、県議会での議論が形骸化。蔵内議長肝いりのワンヘルス事業(「人と動物の健康」と「環境の健全性」を一体的に守っていく考え方)であれば、潤沢な予算がついていく状態が罷り通っていたという。学校教育用の副読本まで作成され、蔵内議長の地元にある筑後広域公園には3億5,000万円のモニュメントもつくられたというのだ。
──3億5,000万円のモニュメントは蔵内議長肝いりのワンヘルス事業の1つだと聞きましたが…。
吉松県議 ワンヘルス事業のモニュメントですから、蔵内議長の肝いりも肝いりでしょう。
──ワンヘルス事業だと予算がつきやすいとも聞きました。
吉松県議 その象徴がこのモニュメントでしょう。モニュメントに3億5,000万円の予算なんて、他のモニュメントだったら絶対につかないと思います。これは、ワンヘルスのモニュメントだっていうから、あるいは蔵内議長の肝いりだから予算がついたのだと思います。
──蔵内議長がワンヘルス事業にここまで熱心なのは、なぜですか。
吉松県議 この4月に世界獣医師会の会長選挙で通って(会長に)就任されましたが、会長になるためのアピールポイントに使われたのではないかというふうにも見えます。
モニュメントができた当時は、蔵内議長が世界獣医師会の会長選挙に出る前。立候補するときにはアピールポイントが必要になりますよね。だから「私は福岡県で自分はワンヘルス推進の条例を通して、しかも広めるために3億5,000万円ものモニュメントをつくった」という宣伝材料のために、県につくるように要請したのではないかという気が私はしています。
──県民からすれば、どれだけ健康に役立つのか分かりませんが、絶対的権力を持つ蔵内議長が進めるワンヘルス事業なので、服部知事や県庁職員は従わざるを得ないと。
吉松県議 そうだと思います。だから服部知事も逆らえないので、言われたら「はい、わかりました」と予算をつけたのだと思います。
<解説>服部知事が二期目を目指した昨年3月の福岡県知事選で、新人候補の国際弁護士・吉田幸一郎氏はチラシでワンヘルスモニュメントを写真で紹介しながら、次のように批判していた。
「服部知事が知事選挙に向けた3つの政策の柱の1つが『ワンヘルスの推進』、ワンヘルスとは人と動物の健康と環境の健全性を一体的に守る運動と掲げられています(中略)。ワンヘルスの考え方自体には問題ありませんが、その膨大な予算が問題です。服部知事はこの4年間で45億円、さらにこれから46億円の税金を使う計画を立てており、さらにさらにワンヘルス大学までもつくろうとしています」
九州新幹線「筑後船小屋駅」周辺に広がる筑後広域公園を訪ねると、3つのワンヘルスモニュメントがあった。その1つである「ワンヘルスカーボンゲート」の説明用プレートもあり、こう書かれていた。
「“人と動物の健康と環境の健全性は1つ”という日本獣医師会 蔵内勇夫会長と日本医師会 横倉義武名誉会長が積極的に取り組むワンヘルスの理念のもとに我々の生態系をやわらかくむすびつける象徴となるゲートです。二重らせん構造のリングは軽くてつよい炭素繊維でつくられており、カーボンニュートラルな世界への実現への期待が込められています(以下略)」
なおモニュメント除幕式には、服部知事と蔵内議長が笑顔で参加。先の吉田候補のチラシはこうも指摘していた。「ワンヘルス100億円ムダづかいは自民党実力者への『忖度予算』と言われています」
吉田候補は落選したものの、蔵内議長の肝いりワンヘルス事業の問題を先駆的に取り上げていたのだ。
(つづく)
【ジャーナリスト/横田一】








