店舗で培った信頼を礎にAI活用で次の成長を拓く|ジャパンネットワークグループ

(株)ジャパンネットワークグループ

齊藤拓也代表取締役
齊藤拓也代表取締役

 モバイルショップ運営を主軸に、法人向け通信サービスやDX導入支援、デジタルマーケティングへと事業を広げている(株)ジャパンネットワークグループ。近年はAI活用に積極的に取り組み、対面ビジネスで培った現場力を生かしながら、デジタル時代に対応する組織づくりを進めている。

事業多角化に合わせ
組織もアップデート

 モバイルショップ運営を中核に据える(株)ジャパンネットワークグループは、法人向け通信サービスやDX支援、デジタルマーケティングなどへと事業多角化を進めている。

 事業領域を広げるなかで、同社は組織そのものの再設計に取り組んでいる。2025年11月には、動画や原稿制作などデジタル領域の実務を担うデジタルマーケティング事業部を立ち上げ、同分野に本格参入した。

 さらに26年6月1日付で、情報システム部門を新設した。同部門は、各事業部で個別に運用されていたシステムやマニュアルを統合し、セキュリティ管理やRPA推進までを担う。社内の非効率を放置せず、一気通貫でシステムを管理する体制に変えていく。

 これまで部門ごとに最適化されていた仕組みは、一定の機動力を生んできた一方で、事業多角化が進むなかでは、分断された運用がリスクにつながる。そう判断した同社は、コミュニケーション基盤としてSlackの導入も進め、まずはシステム面から全体最適へと舵を切っている。

AIは万能ではない
人が非言語情報を担う

 組織の再設計と並行して、同社が力を入れているのがAI活用である。デジタル領域への展開を進めるなか、同社代表取締役の齊藤拓也氏は、AIの進化について「予想をはるかに上回るスピード」と表現し、強い危機感をにじませる。

 一方で、現時点ではAIの判断に全面的に依存する段階ではないとも語る。背景にあるのは、技術そのものの成熟度に加え、使いこなす側のリテラシーや、社会全体への普及度を見極める必要があるという認識だ。

 同社では現在、各部署が保有する情報をAIに蓄積させる段階にあり、自動化や省人化では一定の成果を得ている。ただ、現段階ではAIが分析や提案を示したとしても、それを最終的に判断し、実行に移すのはあくまで人間である。齊藤氏は「基礎知識がないままAIを使えば、指標の読み違いや見当違いの分析につながる危険がある」と指摘する。営業現場におけるセールストークの補助など、AIをツールとして位置づけ、実務に根差した使い方にこそ現実的な価値があると見ている。

 さらに齊藤氏は、「対面でのコミュニケーションにおいて、AIにはまだ越えられない壁がある」と語る。そこには身体性や感情のやり取りがあり、単なる情報処理では置き換えられない価値が残るためだ。店舗営業だけでなく、法人営業の場面でも、人が相手の反応を読み取り、信頼関係を築く役割は大きい。

人への投資を惜しまず
働く人により良い環境を

 同社はAIやシステムの活用を進める一方で、「人」を重視する姿勢は変わらない。AIの発展にも注視しつつ、人が生み出せる価値を見極めながら動いている。26年の新卒採用は23名。店舗系スタッフの採用基準は従来通りとしながら、デジタルマーケティング部署については、即戦力に近いオペレーション能力を持つ人材を別枠で採っている。

 こうした採用力の背景には、人事への継続的な投資がある。採用活動を専門で担う人材を配置し、人材確保を現場任せにしてこなかった。加えて、業界内でも高水準の報酬体系を維持しており、人手不足が深刻化するなかでも、必要な人材を確保できているという。採用を偶然に任せず、経営課題として正面から扱ってきた成果といえる。

 採用後の定着を見据え、働く環境や支援制度の継続的な見直しにも取り組んでいる。アプリ「ふくりっと」の導入、月々最大1万円の奨学金返済支援、さらに約30項目を対象とした資格手当など、踏み込んだ制度を整えている。しかも資格手当は、業務に直接関係しないものも対象に含め、重複受給も可能だ。人材を確保するだけでなく、育て定着させるための仕組みが同社には備わっている。

基盤の店舗は揺るがず
より広いデジタル領域へ

(株)ジャパンネットワークグループ    通信業界の市場環境が厳しさを増すなかで、前期売上は前年同期比115%程度と好調に推移している。だが、足元の好調さに安住することはない。常に時代の先を見つめ、AIをどこまで入れるのか、組織をどう再編するのか、人材にどこまで投資するのか。同社はその1つひとつを、効率だけでなく、環境変化をどう成長の力に変えるかという視点で選択している。

 守るべき収益基盤は守る。その一方で、ばらばらな仕組みや属人的な運用は見直す。対面で培ってきた信頼を土台に、AIやデジタル技術を取り込みながら、九州の通信インフラを支える企業として、新たな可能性を広げている。

【岩本願】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:齊藤拓也
所在地:福岡市中央区大名2-12-8
設 立:1996年1月
資本金:1,300万円
TEL:092-739-2160
URL:https://www.japannetworkgroup.com

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