2024年11月25日( 月 )

【続報】疑惑の障がい者福祉事業代表者・老田善弘氏の過去

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 疑惑の就労継続支援A型事業所「MAXY」(大野城市)の老田善弘代表は、障がい者福祉業界のコンサルタントとして、ある種の「有名人」だ。事業所の立ち上げに際し、老田氏に対して数百万円単位のカネが動くのは当たり前で、老田氏がこれまで立ち上げに関わった福岡県内外の事業所では何人もの“被害者”が出ている。老田氏の過去を取材すると、そのほかにもトラブルメーカーの痕跡がいくつも明らかになった。

(1)携帯電話販売の代理店として

 「老田氏と福祉との関わりは、ここ5、6年でしかありません。それまでは携帯電話の販売をやっていたんです」――そう切り出したのは、老田氏がかつて携帯電話販売の代理店だったころの関係者A氏だ。当時、老田氏はA氏の会社の一次代理店として、(株)ワーコムの代表を務めていた。ワーコムの下には、さらに複数の二次代理店がいたという。

 一次代理店としての稼働が始まってしばらくすると、早くもトラブルが生じた。ワーコムが、二次代理店にインセンティブ(販売手数料)が支払わなかったのだ。上位店であるA氏の会社に、二次代理店が泣きついたためにトラブルが発覚。A氏の会社は滞りなくワーコムへ手数料を払っていたが、老田氏は「上からお金が下りてこないから払えない」と、二次代理店に説明していた。A氏の会社は、ワーコムの未払い状況が確認できたため、取引を中止した。

(2)他人の看板で勧誘セミナー開催

 「老田氏の身勝手な行為で、信用を落とした」――そう憤るのは、障がい者福祉関連の一般社団法人の理事長B氏だ。B氏は老田氏との出会いから別れまでを次のように語る。

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 「出会いは10年ほど前でした。老田氏が携帯電話販売で支払トラブルを抱えていたころ、同じく代理店をしていた私のもとへ、『ぜひ下で販売させてほしい』と現れたんです。しかし、A氏と同様のトラブルが発生して契約を解除しました。それからしばらくは関わることがなかったが、私が障がい福祉事業を立ち上げて忙しくしているのを見て、老田氏は福祉事業への参入を目論んだようです。老田氏が見よう見まねで福祉事業を始めたのは2013年ごろでは」

 その後、老田氏のある行為でB氏の信用は地に墜ちることとなる。

 「Bさんのところって、こんな勧誘やっているの?」――突然、知人数名から連絡が入った。B氏の法人が福祉事業への出資や加盟金を募っているという内容だった。まったく身に覚えがないB氏が困惑しつつも調査を進めると、老田氏がB氏の法人名を勝手に使って勧誘セミナーを行っていたことがわかった。
 被害を防ぐために、B氏が県内の福祉事業所約150カ所あてに「当法人は関与していない」旨のFAXなどを通知するも、すでに情報は拡散された後だった。B氏は、「信用回復までにとてつもない時間と労力がかかった」と憤りを隠さない。

 A、B両氏の話からうかがえるのは、老田氏の見苦しいまでの金銭への執着心。老田氏がやってきたことは、まともなビジネスとは言い難い。こうした老田氏の所業の数々は、新たな疑惑に直結していく。

※障がい者福祉事業に関する情報をお寄せください。こちらまで

(つづく)

 

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