香港スタイルのお粥料理を提供
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福岡のお粥カフェTeddy & Daddy(テディ&ダディ)
お粥の歴史は古く、中国では6千年前からあったとされる。日本においても大陸から渡ってきた米文化とともに日本人に食されてきたもっともポピュラーな食べ物のひとつと言えよう。民俗学的にも無病息災を願って1月7日に食べる“七草かゆ”などの慣習や薬膳料理として広い意味での身近な存在である。
素材を厳選した香港スタイルのお粥が堪能できる店が福岡にオープン
中国をはじめ米文化が定着した東アジア圏においては、お粥は地域ごとの特色を生かして庶民が愛してやまない料理のひとつだ。しかし、日本にもお粥を食べる文化はあるが、定番料理とはいいがたい。ここ福岡でもメニューのひとつとしてお粥料理を提供している飲食店もあるのだが、専門で提供する店はあまり聞いたことがなった。
今回紹介するのは、香港粥をベースとした店舗“Teddy & Daddy (テディ&ダディ。福岡市中央区荒戸2-5-20)。本来、臓モツ系が多い香港粥を日本人向けにアレンジした香港スタイルのお粥の専門店である。西公園の南側入口近くで、大きめの道路沿いにあるが店の入口は小さく、見落としがち。まさに“知る人ぞ知る”という言葉がぴったりだ。店内は1階に厨房とテーブル席、2階はテーブルが並びゆっくりくつろげる。奥が吹き抜けとなっており、解放感が心地よい。
この店を切り盛りするのは太田さん姉妹だ。元々、彼女らのお父さんが中洲の中華料理店“蘇州”を営んでいた。お粥もメニューにはあったが特に手作り水餃子がおいしい店として人気が出たため、いつからかお粥は消えていった。お母さんがガンに侵され、他界する前に「お粥が食べたい」と病床で願ったものの、当時は既にお店のメニューにはなく、かといって自分で作れるほど簡単ではなかったため食べさせてあげられなかった。それが太田姉妹としては何よりも心残りであったそうだ。 その思いを持つ姉妹が素材に味にこだわる料理として取り上げだのが“お粥”だった。薬膳料理としても、庶民料理としても万人に受け入れやすい粥の素晴らしさを広げようと姉妹と、その仲間たちが固い信念のもとに店を立ち上げたのである。
季節の素材を吟味。納得したものしか使わない
一口にお粥といっても、この店のメニューはバラエティに富み飽きさせない。さすが専門店だけのことはある。今回、注文したのは高い人気の特製砂肝粥。ふんわりしたお米独特のあまい香りが漂い、なんともかぐわしい。そして、かなりの分量、(もちろんミニあり、今までお粥は、ごはん茶碗一杯くらいのイメージしかなかったので)お粥が大きく存在感を示している。砂肝も、とても柔らかく食感が絶妙。いつも焼き鳥店で食べる砂肝を想像しただけに格別のおいしさである。スープは水餃子をチョイス。これも味がしみており美味。ランチ時は店舗1階にサラダやザーサイなどが並べられるバイキング形式になっている。そのほかに、不定期ではあるが弱火で5時間以上煮込まれた“テールの煮込み”など手間暇かけた特別メニューもあり、それぞれ人気を博している。
同店で使用される食材は納得できるものを使用し、特に調味料は極力添加物を使っていないものを選んでいる。「テールの煮込み」や「ピリ辛」に使用される『Teddyのにんにくこしょう』は原材料を産地から直接取り寄せ、全て手作りというこだわりぶりだ。この『Teddyのにんにくこしょう』についての問い合わせも多いと言う。
お粥の概念を覆すTeddy & Daddy。カフェ風の店内も相まって身も心もゆったりできるはず。本格的な香港粥を堪能してみてはいかがだろうか。
【道山 憲一】
<INFORMATION>
■福岡のお粥カフェTeddy & Daddy(テディ&ダディ)
所在地:福岡市中央区荒戸2-5-20
TEL:092-753-9640
営業時間:午前7時~午後5時関連記事
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