【熊本地震最前線レポート】(38)~16日 南阿蘇村の惨状(2)道路の隆起、陥没が多発
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昼頃に熊本県小国町の街中に入ることが出来た。主要道路に面したコンビニエンスストアにたくさんの車が止まっている。たくさんの客が水や食料を求めて買い出しにきているのだ。しかし、商品はすでになくなり始めており、陳列棚の一部の商品が既に無くなっている状況だ。そこで店の店長らしき人物に話を聞いてみる。「追加の商品はありません。商品の供給が完全にストップして食料品など特にいつ入るのかわかりません」と不安げに今後の状況を語る。
筆者は、この状況を予測して出発時で水とシリアル系の食べ物を買っていたので食べ物の心配はしていなかった。だが、考えてみれば日田方面からの主要道路は閉鎖されており、物流は止まっている。もし、地震の影響で孤立するようなことがあれば、食料調達は不安材料のひとつになるだろう。
また小国町の上空ではヘリコプターが多く飛来し、ローターの爆音がなり響いている。ヘリ自体がかなり低空を飛んでいることが分かる。災害派遣で現地に向かう陸上自衛隊もかなり集まっていた。これから隊列を組み現地に向かうのだろう。さらに移動して大観峰へ向かう。すれ違う車はほとんど見られず、大観峰周辺道路から見る阿蘇中岳は噴煙らしいうっすらと雲みたいなものがかかっていた。あとは国道212号線を下りながら南阿蘇村に急ぐ。その途中の道路はひび割れが目立ってきており、震源地に近くなることが想像された。
阿蘇市に入ったものの目的地の南阿蘇村に向かうのが、道路の被害がひどくなり、だんだんと走行が困難になっていく。道路の陥没や石垣や塀の倒壊により、思うほど距離が稼げないのだ。引き返して迂回することも多くなってきた。
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信号機も停電のため動作していない。交差点は無法地帯となっている。しかし、通過する車両が極端に少なく苦にならない。途中、信号が消えたままの交差点で自衛隊員から国道57号線へ行ける道を聞かれたが、「通行できるかわからない」とだけ答えた。これからどこまでいけるのか本当にわからないのだ。
(つづく)
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