下関ゴルフ倶楽部~波乱の定時総会を再現(2)
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データ・マックス特別取材班は、波乱の定時総会について、「下関ゴルフ倶楽部を愛する会」の世話人である住興信氏に、電話インタビューすることができた。
かつて山口銀行では、何の落ち度もない頭取を自分たちの意に沿わないからといって、クーデターで失脚させた『頭取交代劇』があった。裏で糸を引いたのが田中相談役であり、当時は下関ゴルフ倶楽部理事長。新頭取になったのは現理事長の福田浩一氏。幹事は山口リース社長の西原克彦氏と、いずれもクーデター派の面々が、下関ゴルフ倶楽部を私物化しているのです。
その山口銀行の頭取交代劇をモデルにした本『実録頭取交替』が、2014年10月15日に発刊されましたが、そのまさに同じ日に、「ゴルフ半額プレー」で、田中前理事長、福田理事長、田口前キャプテン、梅﨑現キャプテンの4人を相手に「社員代表訴訟」を起こしたのです。今の下関ゴルフ倶楽部は、一般会員のものではなく、あたかも小説に登場するクーデター派の社交場となっているように思います。だからこそ、私たちは何とか創業当初のゴルフ場に戻したいとの思いから、裁判で争っているのです。山口銀行の事情通によると、「田中氏は2002年に相談役に退いて14年。専用車と専属の秘書が付いているし、毎日出勤しているのは、今も山口銀行を影で動かしているからだ」という。
それを裏付けるような出来事が、つい最近あった。山口銀行の退職者で組織されている『清交会』(会長末広馨氏)の総会が4月26日、山口銀行本店で開催された。だが、今も現役の田中相談役(5月13日に90歳を迎える)は、その後の懇親会に出席したが、銀行トップの福田頭取は欠席と、好対照の動きを見せた。あるOBは、次のように言う。
末広会長、西原副会長などの役員OBは、歳下の福田頭取ではなく、田中氏の方を向いているという。末廣氏は、関係会社の社長を退任したが、山口銀行OBを束ねる清交会の会長である。一方、副会長の西原氏は、関係会社である山口リースの社長。田中氏がいくら歳を重ねても、現役でいてくれさえすれば良いのだ。
また田中相談役にとっても、自分の影響力を福田頭取に見せる良いチャンスが清交会と言える。それを嫌ったのだろうか。福田頭取は25日の地銀協(東京都千代田区)の会合の後、急遽「熊本地震」の熊本入りを優先し、清交会を欠席したという。
一般会員からは、「清交会を馬鹿にしている」との声が上がったが、福田頭取としては、腰が曲がり老いが隠せない田中相談役であっても、その影響力を見せつけられるのが面白くなかった、というのが本音ではないだろうか。
というのは、本部役員は6階に詰めているが、福田頭取と田中相談役は特別扱いで個室。例年、清交会の始まる前に役員OBは役員室を訪れるが、その多くが田中相談役室に集まり、頭取室は少ないという。時期をずらせば済むことなのに、それでも福田頭取が欠席したのは、田中氏の権勢が今も衰えていない証拠ではないだろうか。(つづく)
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