【速報】COMPUTEX Taipei 2016開幕!
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最近の国際情勢を踏まえ、台日関係は新たな段階へ
5月20日、民進党の蔡英文氏(59歳)が台北市内の総統府で就任申請を行い、第14代総統に就任した。台湾独立志向の強い、民進党への政権交代は8年振りである。
蔡氏は就任演説の中で、次世代のために構造改革を推進、経済発展の新モデルの確立を目指すと述べた。環太平洋経済連携協定(TPP)や、日中韓などが進める東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への参加にも意欲を示している。
また、27日には、対日関係の実務を担当する「亜東関係協会」トップの会長に総統府秘書長(官房長官)などを歴任した台湾政界の大物、邱義仁氏(66歳)が就任した。邱氏は記者団に対し、「最近の国際情勢の変化を踏まえ、台日関係は新たな段階に入る」と述べ、両国の関係強化に意欲を示した。このような背景のもと、今年の「COMPUTEX Taipei」は開幕した。世界唯一のサプライチェーンを網羅したICT見本市
蔡英文氏の総統就任と時を同じくして、台湾の中央政府機関所在地である台北で、台湾経済に大きな影響力を持つ、世界最大級の最新トレードショー「COMPUTEX Taipei 2016」(5月31日~6月4日)が開幕した。1981年に創設された同トレードショーは、サプライチェーンを完全に網羅した世界で唯一とも言えるICT見本市である。毎年20カ国を超える(今年は28カ国)国や地域から約1,700社が出展、165カ国以上から13万人以上が来場する。
今、PC関連市場において台湾が世界に占めるシェアは、サーバー(85%)、マザーボード(85%)、デスクトップ(48.3%)、ノートPC(79.6%)と他国を大きく上回る驚異的な数値になっている。これに先駆け、COMPUTEXの記者会見が36年の歴史の中で初めて日本・東京で開かれた。来日した中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)の副秘書長である葉明水氏は、今年の新コンセプトは「グローバル・テクノロジー・エコシステム」であると語り、業界の枠や国境を超えて広く共存共栄していく重要なパートナーとして、日本経済界にエールを送った。
今年も多くの日本企業が出展しており、日本からのバイヤーの数は約4,000人が見込まれ、三大買付け国(中国、日本、米国)の1つになることが予測されている。最多忙の中で、蔡英文第14代新総統が駆けつけた
5月31日午前9時30分、台北南港展覧館において、「COMPUTEX Taipei 2016」のオープニングイベントが盛大に開催された。共同主催者である台北市コンピュータ同業協会(TCA)の童子賢理事長、中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)の梁國新董事長などに続いて、来賓挨拶のトリを務める形で登壇したのは、中華民国第14代総統の蔡英文氏である。蔡新総統は短い祝辞の後、そのまま壇に残り、開幕式典での恒例行事となっているd&i賞、ベストチョイス・アワードの授与を行い、受賞者を讃えた。
主催者側が最も力を入れている「InnoVEX」エリア
今年は、新コンセプト「グローバル・テクノロジー・エコシステム」実現のために4つのテーマとして、IoTアプリケーション、イノベーションとスタートアップ、ビジネスソリューション、ゲーミングが掲げられ、会場には、大きく3つの展示エリア「InnoVEX」、「SmarTEX」、「iStyle」が設けられた。
その中でも、主催者側が最も力を入れていると思われるのが「InnoVEX」エリアである。
この新しい展示エリアのInnoVEXは、IoTクロス・インダストリー・アプリケーション、eコマース、革新技術といった分野の主要なテーマを組み合わせる「新規企業ビレッジ」を構築する。また、独創的な技術、オープンなブース及びネットワークスペース、一連のフォーラムとセミナーにより、イノベーション、最新技術、投資などの交流を最大限に促進することができる場となることを目指している。この新しい展示エリアには、22カ国,217社の革新的新規企業が結集、その内の約3分の1に当たる68社が海外企業となっている。そこでは、IoTアプリケーション、VR/AR、フィンテック(Fintech)を含む製品や技術が出展される予定である。このエリアは5.31~6.2まで設置され、会期中に、受賞賞金3万米ドルのピッチコンテスト、基調講演、フォーラム、韓国・フランス・デンマーク・イスラエルなどの新規企業のデモンストレーションなどのイベントが予定されている。
台北経済文化代表処の代表に謝長廷・元行政院長
蔡英文新総統が第14代総統に就任した5月20日に、民進党は日本大使館に当たる台北経済文化代表処の代表(大使)に謝長廷・元行政院長(首相、69歳)を起用することを決めた。謝氏は、京都大学の法学修士号を持つ知日派の大物である。蔡英文・次期政権では対日関係を深化させる姿勢を明確に示している。今後は、さらに踏み込んだ形で、技術はあるが経営に苦しんでいる日本の中小企業などと、台湾の有力企業との提携も加速していくかも知れない。
本日の台北の気温は今年最高の35度で、会期終了の4日まで、南国のうだるような暑い日が続く。今回は大陸からのバイヤーやビジターが減ることが予測される中で、主催者側、展示者側などにとっての熱い闘いがこれから繰り広げられる。
【金木 亮憲】
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