開発に揺れる柳橋連合市場(3)~鍵握る高口ビルの行方
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柳橋連合市場一帯を再開発しようという構想はずいぶん前からあったが、依然として実現はしていない。部分的な開発は今に始まったものではないけれども、現在2つの開発案が同時に進行しており、それぞれの説明会が住民および事業者に向け重ねられている。大規模開発を進める地場業者と部分開発を進める県外業者。2者の取り組みをめぐり、市場内関係者の反応にも温度差が生じてきている。
14階建てのマンション計画
市場内で、すでにいくつかの不動産開発を進めている(株)ジョイフルコーポレーションだが、市場中心部に位置する高口ビルの建て替えを急いでいる。開発事業主であるから、当然ジョイフル社が同物件を購入し、開発を進めようとしていると思われていた。
4月末のことだ。柳橋連合市場を通りがかると、場内への進入路の一つが封鎖され、地質調査が行われていた。立て看板には「マンション工事に伴うボーリング調査中」と書かれており、発注者は(株)ジョイフル社となっていた。4月中旬には、ジョイフル社から高口ビル賃貸契約者向けに説明会が開かれていたようだ。
後日、説明会で配布された資料を入手した。資料によると、当地には14階建てのマンションを計画しており、1階に店舗、2階以上を住居としている。現在の入居者は移転先の確保が必要になってくるが、すべてジョイフル社が現家賃と同程度で提供すると説明している。
退去を急がせるジョイフル社
店舗は店主の意向で承認が得られるだろうが、柳橋連合市場協同組合や福岡天神南振興会などは構成員の賛同が必要となる。時間をかけた話し合いが前提となるが、一部関係者からは「組合の楠下理事長が理事らの合意を取らず、転居を推し進めたことで理事会が紛糾した」との声が聞かれた。組合員の意見をまとめるべき理事長が転居を急ぐ理由は何なのか、組合員の多くは疑念を抱いている。
さらに説明資料を見てみると、「弊社(ジョイフル社)は現所有者と長期間にわたる交渉を経て、この4月1日に売買をいたしました」と書かれている。しかし、今も不動産登記ではジョイフル社への所有権移転は確認できていない。当然入居者、および組合員からは「所有権も移っていないのに、退去を求められても・・・」と困惑している。一部関係者からは「手付金は払ったが、内金が払えていないようだ」との声もあった。さらに「売買契約自体成立するのか」と退去を急がせるジョイフル社および理事長への不信感も伝わってきた。
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(つづく)
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