佐賀県の教育情報システムに不正アクセス 約1万人分の個人情報が流出か
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佐賀県は6月27日、同県の学校教育ネットワークに対する不正アクセスの被害を公表した。被害を受けたのは校内LANと教育情報システム「SEI-Net」で、県立高校と中学校の計9校から約15万3,000件のテータが流出していたことを確認。現在までに約1万人分の個人情報が流出していたとしている。
佐賀県によると、警視庁が被疑者から押収した自宅パソコンから同県の県立高校などに関する約21万件のファイルを発見し、今年2月に同県へ連絡。これを受け、調査を進めたところ、校内LANでは校務用サーバーが4校約7,000件で、このうち1,574件のファイルに9,589人分の個人情報が含まれていた。情報の内容については教職員、生徒、保護者の住所・氏名・電話番号、ID、パスワード、成績関連書類、生徒指導関連書類としている。学習用サーバーは6校約14万6,000件。主に教材関係で、個人情報では生徒の氏名が多く見つかっているという。また「SEI-Net」については7校で被害があり、教職員のIDや氏名、校務用メールアドレス、生徒のID、氏名などの情報が被疑者のパソコンに保存されていた。現在まで、流出した情報による被害は確認されていない。
佐賀県では2011年度から学校現場でICT(情報通信技術)を活用する事業を進めており、13年4月から校務、学習、教材を一元管理してクラウドでサービスを提供するシステム「SEI-Net」を稼働している。同システムを使って教師と生徒が教材をやり取りするなど、インターネットを使った新たな学習環境を構築。また、教職員は出欠や学籍情報などを管理することができ、事務負担の軽減にもつながる。佐賀県教育委員会教育情報課によると、県立高校45校をはじめ、県内の市町立小中学校106校に導入されているという。同システムからの情報流出が見つかったのは県立高校7校だが、うち1校は中高一貫校で、同じネットワークを使っていた。
被害の発覚後、佐賀県では校内LANと「SEI-Net」のパスワードを一斉に変更。被害が判明した9校に相談窓口を設置した。今後はハードとソフトの両面でシステムの強化を図り、教職員や生徒らに対しても情報セキュリティの重要性について周知徹底を図りながら、システムの運営を続けていく。逮捕されたのが17歳の少年であったことから、同県教委のなかにも驚きと動揺が広がっているという。古谷宏教育長は「不正アクセスという犯罪行為により、生徒やその保護者などの個人情報が窃取されたことは極めて遺憾。今後とも、セキュリティ対策の強化を図りながら、再発防止に努めて参ります」とコメントしている。
【平古場 豪】
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