練習の100打より試合の1打
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2年ぶりに競技ゴルフにエントリーしました。8月に行われる九州オープンゴルフトーナメント出場をかけた予選会です。普段は月2ゴルファーの僕ですが、大会前はいつもより多くコースに行き調整をしました。いくら毎日ボールを打っていても、ラウンド回数が少ないとスコアをまとめることは難しいものです。コースに行けば平坦なライなどほとんどありませんし、番手通りの距離が残ることも滅多にありません。中途半端な距離に対しての微調整は感覚に大きく左右され、ラウンド回数が多いほど距離感が合ってきます。ショートゲームに関しても同じです。スイングの大きさやスピードにある程度の基準はあったとしても、目で見た距離をスイングで表現するには感覚に頼るところが大きくなります。
話は変わりますが、うちの練習生にもこの夏初めてプロとアマが出場するシニア競技の予選会に挑む生徒さんがいます。3年前から指導させて頂いていますが、その時は競技とは全く無縁のゴルフライフでした。しかしコツコツと練習に励み着実に力をつけ、初めて競技ゴルフに挑戦することになりました。50歳を超えて新たなチャレンジが出来るというのは素晴らしいことです。
ステップアップしていく生徒さんの姿を見るのは指導者冥利につきます。また、競技に出るとゴルファーとしての幅が大きく広がります。ルールにおいての知識や心構えもコンペやプライベートのラウンドとは全く違ってきます。そして何よりも一打に対するプレッシャーはこれまでのゴルフライフでは経験したことがないものになるでしょう。ティーアップをする時に手が震えたり、アドレスした時に足がガクガクするかもしれません。仕事をしていてもそんな経験をする機会は滅多にありませんよね。でもそのプレッシャーのなかで放つショットというのは自分をワンステップ成長させてくれる貴重な一打になります。
試合では普段できていることが思い通りに出来ません。しかし、そういう経験をすると試合でナイスショットを打つためにはどういう練習をすればいいのかと考えるようになります。意識が変わればスイングが変わります。スイングが変われば当然ショットの結果も変わってきます。因みに僕はゴルフの試合中に楽しいと感じたことはありません。どちらかと言えば苦しいものです。それはゴルフがミスをリカバリーしていくスポーツという特性を持っているからだと思います。
18ホール全てでナイスショット打てる人はトッププロにもいないでしょう。納得のいかないショットに妥協して気持ちを切り替えて次のショットへ向かっていく。前のホールのスリーパットを悔やんだり、次のホールのティショットを心配する心のささやきに耳をふさぎ「目の前の一打に集中!」と自分に言い聞かせるのですが、5時間ずっと集中力をキープするのは大変です。こんな苦しいことをなんで自分から望んでやっているのだろうと思うこともあります。でも試合が終わるとまたチャレンジしたいと思うのだから不思議ですね。余談ですが、僕の予選会へのチャレンジは大雨のためにスタートが4時間遅れ、アビスパのスタジアムDJの仕事に間に合わなくなることから断腸の思いで棄権しました。
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信川 竜太 (のぶかわ りゅうた)
1971年3月27日生まれ。(株)スリーバーズ代表取締役。スポーツキャスター、DJ、MC、リポーターとしてスポーツを中心にテレビ、ラジオなどで活躍中。その一方で、ゴルフコーチとしても活動している。信川氏がゴルフの道を志したのは福大大濠高校1学年時。卒業後、フロリダ州ブロワードジュニアカレッジに入学(のち、フロリダ・リン ユニバーシティーに編入)。在学中、トーナメントでタイガー・ウッズの上位に入る結果を残した。2006年1月に(社)日本プロゴルフ協会 PGAゴルフティーチングプロの資格を取得。10年10月、福岡市東区多の津にスポーツ塾を開講した。関連キーワード
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