2024年11月22日( 金 )

誠実、堅実な営業と施工で地場ゼネコンの地位を高める(前)

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(株)旭工務店

発注先からの高い信頼度

asahi 2017年9月に創業70周年を迎える(株)旭工務店。吉弘七平氏が創業し、現代表取締役社長の吉弘直彦氏までの間、一貫して福岡市内を中心とした九州各地で建築工事業を手がける。直近5カ年の売上高は100億円台を推移しており、同様に受注高も100億円をキープし続けている。地場ゼネコンのトップクラスとして、地場業界全体を牽引している1社である。

 同社の事業の中核を成しているのは、マンション建設である。「マンション建設に依存することなく、幅広い分野の建築物の受注活動を実践していく」という経営方針は従来から不変であるものの、分譲マンション建設の完成工事高は、総売上高の50%を超えているのが現状である。とはいえ、同社がマンション建設に特化し、狙いを定めて受注しているものでない。それでも同社事業のなかで、大きなウエイトを占めるのはなぜか。それは、同社が誠実で一本気であることだ。その姿勢とは、自社の施工力と対比した受注を行う。すなわち自社の施工力を超える受注は、行わないことである。どの顧客とも同じスタンスで取引する。

 「絶対に自社の能力を超えるような無理な受注は行っていない。発注先によって態度を変えることがない。本当に誠実で一本気である。どの企業とも同じスタンスで取引するのだ。営業、施工側とも同様で、全社がその姿勢を貫いている。お互い共存共栄できる関係構築を掲げて、取引においてもお互いが繁栄するための取引であることを絶対条件にして受注している」と地場デベロッパーの幹部は述べる。
 複数のステークホルダーに聞いた結果、同様の話で、同社の誠実で一本気な気質を讃える言葉ばかりであった。現在も、福岡地区を中心にマンション建設の勢いが落ちることがない。激増することはなくとも、福岡市の人口増の後押しもあり、ここ2、3年の間は緩やかに増加していくと予想されている。そのような市場の背景があり、地場のデベロッパーは同社に施工のリクエストを行う。なぜなら誠実に間違いなく確実な施工を実践するからである。必然的に同社のマンション建設の受注比率が高まるのである。

 どのステークホルダーとも対等に─受注先だけでなく、同社の協力専門工事会社や建設資材の仕入先、取引行など同社と関わる関係各位との綿密な連動・連携により事業を構築していくことを実践する。そして何よりも社内において、経営マネージメントと現場の双方のコミュニケーションが円滑かつ一体感のある社風が、その誠実で一本気な姿勢での仕事ぶりが醸成されている。これこそ、100億円規模の業績を築く大きな要因であると言えよう。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:吉弘 直彦
所在地:福岡市博多区博多駅南5-10-13
設 立:1953年9月
資本金:1億2,000万円
TEL:092-431-4131
URL:http://www.napsnet.co.jp/

<プロフィール>
吉弘 直彦
1953年2月、福岡市生まれ。日本大学理工学部建築学科卒業。77年4月、(株)旭工務店入社。取締役を経て、96年4月代表取締役社長に就任。趣味は柔道。

 
(後)

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