奥行きがあり、意外にゆったりとした乗り心地~連節バスが福岡市内を走行中
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その長さに「ギョッ」とした人もいるのでは。西日本鉄道(株)(以下、西鉄)が8月8日から福岡市内で連節バスの試行運行を始めている。長さは約18メートル。通常の路線バスなどの実に1.6倍だ。西鉄によると、連節部分に最新の制御システムを導入しており、乗り心地は一般的な大型高速バスと変わらないという。現在はウォーターフロント(WF)地区~天神、WF地区~博多駅の2区間を2台の連節バスが走っている。
連節バスの試行運行は、福岡市と西鉄が共働で取り組む都市循環BRT形成事業の一環。BRTはバス・ラピッド・トランジットの略で、バスを使って列車と同じように専用レーンを走ることで、決まった時間内にたくさんの人を運ぶことができる仕組みだ。福岡市はWF、天神、博多駅の3拠点をBRTで結ぶ計画を立てており、そのバスを西鉄が運行する。
連節バスで長さの次に目を引くのが、3つのドアだ。乗客は真ん中と後ろのドアから乗り、前と後ろのドアから降りる。つまり後ろのドアだけでも乗降が可能だ。運賃箱とICカードリーダーは設置されているが、運転手が直接料金支払いを確認することはない。信用乗車方式というそうだが、無賃乗車をするマナーの悪い客も現れるのではないかと少し心配になる。もちろん、後ろのドアから乗って、前のドアで降りてもいい。
実際に乗ってみると、奥行きの広さに驚かされる。路線バスなどの定員は75~78人だが、連節バスはその2倍近い133人。横幅は普通のバスと同じだが、縦に長いのでゆったり乗れる印象だ。連節部分は円盤状の床になっている。この床下にある円盤で前後部分をつなぎ、カーブを曲がる際は円盤が回転して車体の動きをコントロールする。外からカーブを曲がる姿を見ると圧巻だが、その軌跡自体は大型高速バスと変わらず、巻き込みの危険性も問題ないという。
料金は2区間とも一律で、WF地区~天神が190円、WF地区~博多駅は230円。それぞれ1日12便(6往復)走っている。2区間での試行運行は9月中旬までをめどにしており、検証が済めば次はWF、天神、博多駅の3拠点を結んだルートをぐるぐると走ることになる。料金は未定だ。現在はまだ2台だが、2020年度までには15台が導入される予定。日本国内でも導入事例がまだ少ない連節バスの乗り心地を一度試してみては?
【平古場 豪】
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