大川市の市議会は短すぎ。衆議院目指す鳩山氏には追い風
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福岡県大川市の大川市議会が9日(金)、5日間の日程で閉幕した。通常18日から19日間の市議会日程を組んでいた同市議会だが、10月11日告示、23日投開票の衆議院福岡六区の補欠選挙に出馬を表明する鳩山二郎市長の退任に合わせて、期間が縮小された模様だ。
大川市では市長に加え、市議会議員1名の選挙も同時に行わなければならず、衆院補選に加え、これらの選挙も行わなければならない。そのため、補選と同日に開催できるようして出費を抑えるため、市側の財政事情も配慮してのことだ。
だが一方では、市民のための議会という本来あるべき姿から、かけ離れているという批判の声も多い。14日間も短縮することで、「まともな議論が行えるのか?」と疑われても仕方がない。これについて大川市議会議長の古賀龍彦氏は、次のようにコメントしている。
「5日間短縮したのが選挙応援と言われているが、それはゼロではありません。(市長選、補選)選挙ということも考えてというのは、当然です。ただ、議案としては少なく、一般質問も少なくて、普通、予備日事務整理日があるのですが、それをスタッフの人たちが『残業してでもやります』ということだったので、審査自体の日にちは変わっていません。一般質問が1人となったのは、市長はお辞めになるので、今後のことについて質問しても仕方がない、だから総括して3年間の質問をするということで1人となりました。ぐっと審査の期間を短くしたのですが、通常本会議は4日間の日程で行われ、今回は一般質問が1人となったため2日になっただけです。審査の日にち自体は変わっていません。休日、事務整理日を除いたら9日間くらい。事務局も応援していただいて、選挙を10月23日に一緒にやったほうが、市の持ち出しも少なくなる、今度立候補する人にも活動する時間があった方がよい。通常は、昼間に次の日のものをまとめる。究極すぎると言えば究極すぎますが、それでも事務局の方ができると、やりますという返事でした」。9日に退庁式。職員らから拍手で送られる
9日には市役所内で、鳩山氏の退庁式のセレモニーが開催された。鳩山氏は1階のロビーで多くの支援者らから花束を渡され、議員および職員らの大きな拍手のなか、3年2カ月の任期を終えた。また、「大川市議会も前回一致で(鳩山氏の福岡六区出馬を)推薦しますというかたちをとって応援するようになった」(古賀議長)とのこと。
だが、市の持ち出しを減らすため議会を短縮したことから、大川市の財政事情の厳しさをうかがい知ることができる。また、市民サービスへの影響も懸念され、議会を短縮したことで職員が対応に追われ、通常業務を行えていたのか?という点と、もし本当に残業をしていれば、残業代もかかっていることだ。これは市民による税金で賄われるため、市民に対する損失でもある。また、「(短期間で)しっかりした議論がなされていないのでは?」、という疑問が、実際に大川市民から上がっていることを忘れてはならない。少なくとも議会前に、市民に対して説明する義務があったのではなかろうか。
鳩山邦夫氏の死去にともなう衆院選福岡六区補欠選挙では、自民党福岡県連が現在、党本部へ公認申請を行っている蔵内謙氏、民進党の新人の新井富美子氏、共産党は党筑後地区委員長の小林解子氏が立候補を表明。それぞれが活動を行っているが、現職の市長を務める鳩山氏は候補者のなかで最もネームバリューがあるが、市長という公務を抱えているため、行動が制限されてきた。だが、市議会終了と同時に市長を退任し、補欠選挙に腰を据えて挑むことができるようになった。議会短縮が鳩山氏にとって追い風となるのは、間違いないだろう。
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