脱炭素経営の「何から始める?」を解決 福岡県が県内中小企業の取り組みを支援

福岡県脱炭素社会推進課地域脱炭素推進係

 取引先からCO₂排出量の開示を求められたものの、算定方法がわからない。脱炭素に取り組みたいが、自社に適した対策を判断できない──。こうした県内中小企業の悩みに応えるのが、福岡県の「脱炭素経営 はじめの一歩。応援プログラム」だ。委託先のe-dash(株)が温室効果ガス排出量の算定と削減目標の設定を無料で支援するほか、県が脱炭素経営計画の策定費用を補助する。

 脱炭素経営は、単なる環境対策ではない。電力や燃料の使用状況を見直すことは、光熱費をはじめとする事業コストの削減につながる。環境に配慮する企業としての評価が高まれば、取引の維持・拡大や資金調達、人材の採用・定着にも好影響が期待できる。大手企業がサプライチェーン全体の排出量把握を進めるなか、中小企業にとっても早期の対応が競争力を左右する経営課題となっている。

 プログラムの第1段階となる「応援1」では、県内中小企業を対象に、温室効果ガス排出量の算定を無料で支援する。参加企業は、電気やガスなどのエネルギー請求書をクラウドサービス「e-dash」にアップロードすることで、エネルギー使用量やコスト、CO₂排出量を可視化できる。複雑な計算や専門知識を必要とせず、脱炭素経営の出発点となる自社の現状を把握できる。募集は先着300社。

 続く「応援2」では、先着55社を対象に、国際認証であるSBT認定に準拠した温室効果ガス排出量の削減目標の設定を無料で支援する。また、e-dashが各社のエネルギーコストや排出状況を踏まえ、省エネや再生可能エネルギーの活用など、自社に適した削減方法を提案する。排出量の算定から目標設定や削減検討までを一連で支援するため、担当者の負担を抑えながら、具体的な取り組みへとつなげられる。応援1、2の対象サービスは2027年3月末まで無料で利用できる。

 さらに、具体的な削減計画の策定を目指す県内中小企業に対しては、福岡県が「応援3」として脱炭素経営計画の策定費用を補助する。対象となるのは、省エネ・再エネ設備の導入などを盛り込んだ計画の策定に必要なコンサルタントへの委託費や、診断・分析にかかる経費。募集は先着15社で、補助率は補助対象経費の2分の1、上限額は100万円となっている。

 脱炭素への対応は、将来のためだけの取り組みではない。自社のエネルギー使用量を把握し、無駄を減らすことは、足元の経営改善にも直結する。費用負担を抑えて専門家の支援を受けられるこの機会に、まずは自社のCO₂排出量を「測る」ことから始めてみてはいかがだろうか。

【岩本願】


福岡県×e-dash<INFORMATION>
福岡県脱炭素社会推進課地域脱炭素推進係

TEL:092-643-3356
FAX:092-643-3791
WEB:福岡県 脱炭素経営 はじめの一歩。応援プログラム

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