シリーズ・金融機関淘汰の時代がやって来た(5・後)~九州地銀の金融再編を大胆予想
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改めて九州地銀の金融再編を占ってみよう。
九州地銀の金融再編について
1.第一地銀(4行)
(1)佐賀銀行・筑邦銀行・宮崎銀行の4行は同じ第一地銀の九州FGと経営統合
十八銀行、佐賀銀行、筑邦銀行の3行は共同システムで提携するなど緊密な関係にあったが、十八銀行が外れることになった。残る佐賀銀行と筑邦銀行は九州FGと組んだ方が重複する店舗が少なく、経営規模の縮小をしなくて済むためだ。ふくおかFGにとっては宮崎県は空白地帯であるため、宮崎銀行と経営統合する可能性はわずかに残されてはいるが、西南の役で共に戦った南洲翁(西郷隆盛)を大切にする県民性もあり、薩摩との連帯感から九州FGと経営統合する可能性が高い。
一部に佐賀銀行と筑邦銀行が山口FGと経営統合するとの見方も出ているが、消息筋によると「山口FGは山口・もみじ・北九州銀行の支店長や行員を相互に異動させて、融和を図るのに精一杯の状況。新たに経営統合するには人材が不足しており、それは難しいのでは。九州地銀が3グループに集約されるようなことになれば、むしろ北九州銀行自体存立が厳しくなるのではないか。」と語った。
(2)大分銀行はふくおかFGと経営統合
姫野昌治大分銀行頭取(現会長)と柴戸隆成ふくおかFG社長(兼福岡銀行頭取)は、共に慶大/経済学部卒で先輩後輩の関係が強み。
戦国時代に九州平定の覇を競う大友軍(豊後)と島津義久率いる(薩摩)が激突。耳川の戦い・戸次川の戦いで敗北した大友宗麟は、豊臣秀吉に援軍を求めたなど歴史的な背景がある。
九州FGと組むと指宿・霧島・黒川温泉など観光地が競合。ふくおかFGと組めば、湯の町「別府」「湯布院」などの観光振興や企業誘致など幅広い分野で提携できるため、九州FGと組むよりもメリットが大きいことが挙げられる。
2.第二地銀(5行)
(1)佐賀共栄・豊和・宮崎太陽・南日本銀行の第二地銀4行は、旧相互銀行系の西日本シティ銀行と経営統合
佐賀共栄銀行の主要株主は西日本シティ銀行(4.80%)。南日本銀行の筆頭株主は整理回収機構(27.03%)。豊和銀行も筆頭株主は整理回収機構(18.94%)であり、西日本シティ銀行(5.34%)と提携して傘下に入っている。宮崎太陽銀行も筆頭株主は整理回収機構(32.73%)。
谷川浩道西日本シティ銀行頭取(現西日本FH社長)と、佐賀共栄銀行の二宮洋二頭取は共に旧大蔵省出身であり、4行の経営状況の厳しさを熟知している。
(2)福岡中央銀行はふくおかFG
同行の筆頭株主は福岡銀行(13.60%)。頭取も歴代同行出身者が就任しており、将来的にはふくおかFGの傘下に入るものと見られる。
◆九州地銀の金融再編を大胆予想
再度予想したのが下表2である。現在18行ある九州地銀は一つ減って17行となる。ふくおかFGは佐賀県・宮崎県・鹿児島県が空白地。西日本FHは熊本県が空白地であり、九州FGは長崎県・大分県が空白地となっている。これを埋めるためには信用金庫を巻き込んだ「アッという金融再編」が起きる可能性が高くなっている。いずれにせよ、九州地銀の金融再編は避けて通ることができない状況を迎えているのではないだろうか。(了)
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