あらゆるニーズに応えるため『全』てを『備』える、岡山の(株)全備(前)
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あらゆるニーズに応えられるという、強い意志を感じさせる社名を持つ企業が、岡山県にある。株式会社全備だ。『全』て『備』える。同社はその名が示す通り、建築資材から産業用機械まで、多岐に渡るジャンルの商品を取り扱う。今回、そんな同社代表取締役竹原利彦氏にお話をうかがった。
設立55周年を迎える老舗商社
――本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。早速ですが、御社は創業時から岡山を拠点に活動をされていたのですか。
竹原 弊社は、昭和24年(1949年)に長船(おさふね)(現:岡山県瀬戸内市)で創業しました。卸売り業者として、包丁や風呂釜などの金物用品を仕入れて地元の方へ提供していました。当時は物が不足していたこともあり、高知県からも商品を仕入れてたんですよ。生活に必要不可欠なものを販売する金物屋は、大変重宝されていました。そのため、同業者間の競争も激しかった。そこで、弊社は仕入れ先を岡山に絞ったほか、商品の営業やお客様宅への配達も手がけるようにしました。金物屋が営業も配達もするというのは、その頃としては大変珍しいものだったんです。
――代表が先代から事業を継承しようと決心されたきっかけは何だったのでしょうか。
竹原 実は私は、入社してから1年間、アメリカに渡っていたんです。多くのものを学ばせてもらい、興味がつきませんでしたので、もう1年いようかと考えていたんですが、その矢先にオイルショックが起こったんです。これは大変だと、すぐ日本に戻り、会社の力になれるように勉強を始めました。建設現場をはじめ、営業、総務と、さまざまな部門で経験を積みました。1つに絞って専門性を高めるというのも、良かったのかもしれません。しかし、各部門の業務内容を学べたことは、全体の流れを把握するといった点で役立ちましたし、確実に今の業務に活きています。
――時代の奔流にさらされながらも、代表に就任され、着実に業績を伸ばしておられます。
竹原 ありがとうございます。お客さま、仕入れ先さま、社員たちが互いに信頼し、尊敬しあえている結果だと思います。創業当時は金物を主に取り扱っていた弊社も、期待される役割も増え、建材、建機、金属製加工製品などバラエティに富んだ商品を取り揃え、総合商社として事業を展開しております。他方、全国に目を向けると、金物屋というのはどんどん減小しています。業績を伸ばしている金物屋は、業容を拡大・変更したところか、利益を出すために妥協せず、強かに「No」と言えるところぐらいではないでしょうか。
(つづく)
【代 源太朗】<COMPANY INFORMATION>
代 表:竹原 利彦
所在地:岡山県岡山市北区新屋敷町1-10-28
設 立:1961年12月
資本金:1,600万円
売上高:(16/1)76億1,412万円
URL:http://www.zenbi.co.jp/<プロフィール>
竹原 利彦(たけはら としひこ)
1953年10月10日生まれ。同社にくわえ、(株)九州洋行、オカノ金属(株)、マレーシア全備の代表取締役を兼任する。趣味は映画鑑賞に人と知り合うこと。自身の性格を、好奇心旺盛で行動しながら考えるタイプと話す。関連キーワード
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