2024年12月23日( 月 )

定年まで残すところ2年、リスクから逃避したい教授

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 筑紫女学園大学の教授から、次のようなご意見メールが届いた。


【対象記事のタイトル: 筑紫女学園の長谷川理事長】

ご意見・ご感想:児玉様

 私は、筑女の教授として異動した者です。児玉様が書かれた一連の記事は、大学の後輩からの知らせで、やっと昨日の朝になって拝読することができました。ずっと他所におりましたので、長谷川氏のことは上場までの経緯までしか知らず、その後の多角化の実情についてはまったく無知でした。
 私は経営学者でしかも起業論が専門なので、上場を成し遂げた人物に対しては、誰であっても尊敬の眼で見る習性があります。なので、長谷川氏についても、ほとんどの教員は反発していますが、私は経営手腕に期待していました。ところが児玉様の一連の記事を読む限りでは、彼の経営手腕には大いに疑問を抱くようになっています。まったく脈絡がない多角化は、論理的な思考能力がない社長がよく犯す過ちです。
 私は長谷川氏に会ったことがないですが、児玉様が指摘されるように、周囲を魅了する明るい性格と行動力で、上場までは勢いで行けたのだと思います。私は筑女では新参者で、退職まであと2年しかいませんので、発言力はないですが、経営学者として間違った意見を述べることだけは、児玉様の記事を読むことで回避できたと感謝しております。
 私が所属する新設の現代社会学部には、九州外から赴任した教員が多いので、長谷川氏に関する人物評価を間違わないように、児玉様の記事を読んでおくように勧めることにします。どうもありがとうございました。


 上記のメールを読んで、怒りが込み上げてきた。この教授には「学生たちのために、素晴らしい大学改革を行う意識はまるでゼロ。自身がオマンマさえ食べられればよい」という本音しかないのである。

 さっそく、「命を懸けて筑女変革を行っている傑物を紹介します。時間の都合をつけてください」とメールを送った。3分して返事がきた。内容は、予想通りであった。「都合できません。今会うのはまずいです」というものであった。

 大至急、折り返した。「大学1、2年生は憂慮しています。『私たちが卒業するまで、大学が存続できるのか』という不安です。今の経営陣が居座っていたら、来春の入学者の定員割れは20~30%になると思います。我が社では今後、筑紫女学園大学からは新規採用しません」という内容を送りつけた。

 

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