2024年12月23日( 月 )

盗作は日常茶飯事なのか

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design 東京オリンピックのエンブレム盗作疑惑。マスコミが大々的に報じたため、記憶に残っている方も多いのではないだろうか。デザイン業界では類似、酷似、盗作などの疑惑は、それほど珍しいものではないのかもしれない。

 先日、ある小さなデザイン会社A社の代表が、妙に見覚えのある広告を見つけて悲鳴をあげた。かつて自社がプレゼン用に制作したデザインが、知らぬ間にある企業の広告デザインとして使われていることがわかったのだ。それもそのはず、類似というレベルではなく、そっくりそのまま「丸パクリ」だったからだ。社員全員で笑うしかなかったという。おそらく新たな広告制作を依頼された別のデザイン会社が、何らかのかたちでそのデザインを入手し、そのまま提案したものなのだろう。

 盗作したとみられるデザイン会社まではわかっていないというが、街中に自分がデザインした広告が知らないうちに使われていたら、悔しいに違いない。訴えを起こすという手段も当然、視野に入るだろうが、A社代表の口は重い。「これまで何度か、同じような盗作被害を見て来た。結局、小さい会社が大資本を訴えても、もみ消されるだけ。弊社取引先に対して、ネガティブキャンペーンでも展開されたら、それこそ大ごとになる」と泣き寝入り状態。唇を噛むしかなかったという。

【東城 洋平】

 

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