日本政策投資銀行の深い闇
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、日本のメディアによるトランプ攻撃に触れたうえで、メディアが触れない日本政策投資銀行の闇について言及した、1月29日付の記事を紹介する。
日本のメディアは、反トランプキャンペーンを展開している。トランプ新大統領はハゲタカ勢力にとって、よほど気に入らない存在なのだと思われる。ハゲタカ巨大資本の支配下に入らない米国新大統領。これが、トランプ攻撃がやまない唯一の理由である。
テレビ朝日はハゲタカ勢力が支配する代表的なメディアのひとつであると考えられるが、連日、コメンテーターを使ってトランプ叩きを実行している。1月27日の放送では、日本政策投資銀行出身の藻谷浩介氏に延々トランプ大統領攻撃をさせた。
米国の主権者が正当な選挙で選出した新大統領である。米国には「ハネムーンの100日」という習慣がある。この習慣は、民主主義のプロセスによって選出された新大統領の政策運営について、少なくとも最初の100日間は、批判を控えて新大統領の政策運営を見守るというものだ。この「ハネムーンの100日」について、トランプ氏を批判する主張があるが的外れだ。「ハネムーンの100日」は、メディアや議会が大統領の政策運営に敬意を払うというもので、その逆ではない。
いま繰り広げられていることは、メディアが、まだ発足して10日も経っていないトランプ新政権をヒステリックに攻撃しまくっているという事実だ。批判されるべきはメディアの姿勢である。テレビ朝日はせっかく藻谷浩介氏をスタジオに招いているのだから、「東芝問題」について、コメントを求めるべきだった。東芝問題を報じる際には、カメラも藻谷氏を一切映さずに、そのままCMに移行させ、議論を封じた。
東芝問題で最大の論点になるのは、日本政策投資銀行の問題なのだ。日本政策投資銀行は、実質的に政府・与党の機関銀行と化している。政治的に極めて不透明な資金が日本政策投資銀行から流出している。日本政策投資銀行こそ、日本政治経済の暗部、闇である。
JR東海がリニア新幹線の構想を提示したとき、何を公約していたのか。「すべてを自前資金で調達する」としていたのではないか。ところが、現実はまったく違う。リニア新幹線の財源の大半は、日本政策投資銀行が提供するのだ。東芝の粉飾決算問題は、当然のことながら、刑事事件として立件するべきものである。ところが、これを封殺する動きが展開されてきた。選挙が行われる岐阜県美濃加茂市の前市長は、この事件の最大の被害者である。完全なる冤罪事案であるにもかかわらず、藤井浩人市長は、2審の名古屋高裁判決で、驚異の逆転有罪判決を受けた。
この背景を明らかにしているのが、闇株新聞氏である。
東芝の不正会計問題を刑事事件として「完全にクロ」とする佐渡賢一委員長率いる証券取引等監視委員会に対して、東芝を不問にする政治圧力がかかり、東京地検が動かないのだという。そして、東芝立件を企図する佐渡賢一委員長が更迭され、この12月に後任の委員長として長谷川充弘・広島高検検事長が就任した。そして、この長谷川充弘氏こそ、藤井市長を無理筋で逮捕・起訴した名古屋地検の当時のトップだったのである。
東芝不正会計問題をもみ消すために長谷川氏が送り込まれるが、その長谷川氏が現職市長の冤罪逮捕・起訴問題で失点を挙げたとなると具合が悪い。このために、名古屋高裁が無理筋逆転有罪判決を示したという見方が存在するのである。そして、東芝の破綻を避けるために政策投資銀行の資金が投入されると伝えられている。トランプ大統領よりもはるかに問題の多い存在が、日本政策投資銀行である。このことをじっくりと掘り下げる必要がある。
※続きは1月29日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1653号「誰が東電法的整理を闇に葬ったのか」で。
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