2024年11月22日( 金 )

徹底検証不可欠、アベ友事案

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、平日昼間に大阪を訪れた2015年9月4日の安倍首相の動静などについて触れた、2月26日付の記事を紹介する。


森本学園が運営する塚本幼稚園では2015年秋の運動会で園児に次の選手宣誓をさせている。
「日本が他の国々に負けぬよう尖閣列島、竹島、北方領土を守り・・・安倍首相がんばれ!安倍首相がんばれ!安保法案が国会を通過してよかったです」

教育基本法は第14条に以下の条文を置いている。

(政治教育)
第十四条 良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。

2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。

上記の選手宣誓は教育基本法第14条に抵触する可能性がある。

2015年9月19日に戦争法制=安保法制は強行制定された。8月30日の日曜日には国会議事堂を10万人以上の市民が包囲し、戦争法反対の示威行動を展開した。国会の緊迫度が頂点を迎えていた。
そのさなかに、15年9月4日(金)に安倍首相は平日昼間に大阪に出張した。産経新聞は次のように伝えている。

安倍晋三首相は4日、大阪市を日帰りで訪問した。国会開会中の平日に首相が大阪入りするのは異例だが、首相には新党結成を目指す大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長との友好関係を強調する狙いがあった。自民党総裁選後の中長期の政権運営を見据えれば、政治思想が近い橋下氏の存在は欠かせないからだ。
大阪市を訪れた首相は地元の読売テレビのワイドショーに生出演し、安全保障関連法案の対案を出した維新をこう持ち上げた。司会の宮根誠司氏が維新の分裂騒動を念頭に「何やってんねん、橋下徹みたいな感じだが」と指摘したが、首相は苦笑いしながら「議論を深めるには対案を出すことがとても大切だ」と橋下氏をかばった。
首相の大阪滞在中、橋下氏ら大阪維新幹部との接触はなかった。だが、わざわざ大阪まで足を運べば、橋下氏との親密ぶりを強く印象づけられる。首相としては、会期末の内閣不信任案をめぐる対応で、新党参加の意向を示している維新の党議員を取り込み、野党の一致結束を崩したいところ。新党結成後も来夏の参院選やその後の憲法改正などの際に“親安倍”勢力として協力を得たい考えだ。
大阪では、公明党への気遣いも忘れなかった。首相がテレビ出演後に訪ねたのは、同党の故冬柴鉄三元幹事長の親族が経営する海鮮料理店。約1時間、互いの家族の話をさかなにカキ料理に舌鼓を打った。
だが、この時期の大阪訪問には、参院平和安全法制特別委員会の鴻池祥肇委員長(自民党)も理事懇談会で「一国の首相としてどういったものか」と不快感を示した。

9月4日(金)の安倍首相動静は以下の通り。

【午前】8時18分、徒歩で公邸発。19分、官邸着。24分から40分、閣議。9時19分から44分、斎木昭隆外務事務次官。10時21分、官邸発。47分、羽田空港着。11時15分、全日空21便で同空港発。58分、伊丹空港着。

【午後】0時13分、同空港発。39分、大阪市中央区の読売テレビ着。1時30分から2時29分、番組収録。3時3分から45分、情報番組に出演。48分、同所発。4時7分、同市北区の海鮮料理店「かき鉄」着。故冬柴鉄三元国土交通相の次男、大さん、秘書官らと食事。5時5分、同所発。34分、伊丹空港着。6時8分、全日空36便で同空港発。57分、羽田空港着。7時18分、同空港発。43分、自民党本部着。44分から8時7分、谷垣禎一同党幹事長。8分、同党本部発。31分、東京・富ケ谷の私邸着。

その前日の9月3日(木)の首相動静として以下の行動が伝えられている。

【午後】2時17分から27分、財務省の岡本薫明官房長、迫田英典理財局長。

そして、日本共産党の宮本岳志議員が2月24日の衆院予算委員会で重要事実を指摘した。

2015年9月4日午前10時から正午までの間、近畿財務局9階会議室で、森友学園の小学校建設工事を請け負った設計会社所長、建設会社所長が近畿財務局の統括管理官、大阪航空局調査係と会合を持っていた事実を指摘。
埋設物の処理内容や費用についてつめた議論をし、業者側が高額な処理費用を提示するなどしていたことを独自の調査で明らかにしました。

安倍首相は9月4日に大阪を訪問して、読売テレビで生放送される「情報ライブ ミヤネ屋」に出演したあと、9月6日放送予定の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」の収録に出演した。

「戦争法制」審議がヤマ場を迎えるなかでの平日の大阪訪問については、既述の通り、自民党内からも異論が噴出した。

首相のテレビ出演、参院委員長が不快感 安保法案の審議中

参院平和安全法制特別委員会の鴻池祥肇委員長(自民党)は4日の理事懇談会で、安全保障関連法案を審議していた同日午後、安倍晋三首相が大阪を訪れテレビ出演したことについて「一国の首相としてどういったものか」と不快感を示した。
理事懇談会では民主党の北沢俊美氏が「そんなに暇なら、毎日でも特別委に出てきて一生懸命に答弁すべきだ。真剣度が足りない」と抗議。自民党は「政府に説明を求めている」と応じた。

9月4日の16時7分には、故冬柴鉄三元国土交通相の次男である冬柴大氏が経営する大阪市北区の海鮮料理店「かき鉄」で今井尚哉秘書官、冬柴大氏らと会食をした。

同日、国土交通省「平成27年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)の採択プロジェクトの決定について」で、森友学園の瑞穂の國記念小學院(=安倍晋三記念小学校)」の校舎及び体育館が選出され、6,200万円の補助金交付が決定された。

ちなみに冬柴大氏はりそな銀行高槻支店次長を務めたのち、冬柴パートナーズ株式会社を設立している。冬柴パートナーズ株式会社は業務内容にコンサルティング、助成金申請援助を含んでいる。
また、森友学園はりそな銀行と業務提携を行っている。

そして、安倍首相夫人の安倍昭恵氏が塚本幼稚園で講演し、瑞穂の國記念小學院」名誉校長に就任したのが2015年9月5日(土)である。

秘書官の今井尚哉氏などが、翌日に首相夫人が訪問する予定の塚本幼稚園に足を運んだ事実などがないのかどうか、丹念に確認する必要があろう。

※続きは2月26日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1677号「『アベ友国有地疑惑』核心に迫る五つの謎」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

 

 

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