憲法裁判所、朴大統領の弾劾を宣告(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
賛否両論で激しく対立していた朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾は、3月10日、ついに決定が下された。韓国の憲法裁判所は10日午前11時から開かれた弾劾事件の宣告で、裁判官8名の全員一致で朴大統領の弾劾を決定した。裁判官6名以上の賛成で弾劾になるが、蓋を開けてみると結果は全員一致の賛成であった。
今回の弾劾決定で、朴氏は大統領職を直ちに失ううえ、韓国史上初の弾劾された大統領として歴史に名を残すことになった。大統領に就任してから1,475日目の罷免である。
以前、弾劾訴追を受けた韓国の大統領は、2004年3月弾劾訴追案が可決された盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領。しかし、憲法裁判所はそのときは弾劾を棄却した。盧大統領は選挙で大統領が特定候補を支持したということで、野党によって弾劾追訴されたが、憲法裁は違反を一部認めたものの、罷免するほどの重大性はないと棄却した。
今回の朴氏の弾劾案は、昨年12月9日に国会の本会議に上程され、賛成234、反対 56、棄権2、無効7票で可決され、憲法裁判所でその間審議が行われていた。憲法裁判所は朴大統領の弾劾審理を集中的、かつスピーディーに進めてきた。その間に行われた審理は合計20回で、法廷に呼ばれた証人だけでも25名に上った。
裁判官は週末も返上し、1日も欠かさず審理を進めるほどタイトな日程であった。というのは、1月31日に朴漢徹(パク・ハンチョル)所長が任期の終了を迎えるし、その後李貞美(イ・ジョンミ)裁判官も3月13日に任期が終了するので、李裁判官の任期が終わる前に審理を終了させたいがためだった。憲法裁判所は、その間の審理で朴氏は重大な憲法と法律を違反し、弾劾は妥当であると判断した。国会は朴氏の弾劾事由として13項目を挙げていたが、憲法裁判所はかなり部分を事実として容認した。
憲法裁判所は弾劾の重要な理由として、朴氏がミル財団とKスポーツ財団の設立に介入し、崔順実(チェ・スンシル)被告を助けたことなど、大統領として国の発展と利益を追求せず、知り合いの個人的な利益追求に協力したことを重大な違法行為であるとした。また、その過程で財閥企業から資金供与を強要することによって、朴氏は結果的には企業の財産権を侵害し、企業経営の自由を奪ったと指摘した。
機密を漏洩した行為も認めた。朴氏は大事な機密情報などを崔順実被告に渡すことを指示、または幇助したことで、国家公務員としての機密保持に関する法律に違反したことになると説明した。さらに憲法裁判所はこのような行為が一時的ではなく、継続的に行われた点を重視した。このような持続的に行われた法律違反は、法治主義に反する行為であると付け加えた。とくに朴氏は、談話で約束したにもかかわらず、検察と特別検察の調査に応じなかったし、大統領の官邸の捜索にも協力しなかったことを指摘。朴氏には、憲法を守ろうとする意思はあまりないのではないかと厳しく追及した。
(つづく)
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